SEの勉強は何から始める?|技術の前に幅広く考える【将来を考えて】

IT業界(SIer) 読書

この記事は、若手SE・新人SE・SE内定者・SEを希望する学生を対象にしています。

途方に暮れる新人SE
「システムエンジニアになったはいいけれど、プログラミングとかシステムとか全然わかりません。何から勉強したらいいんだろう。読んでおいた方が良い本とかあれば教えてほしいです。」

こんな悩みを解決します。

本記事の内容

SEの勉強は何から始めるべきか・・・ポイントは次の2つです

  • ①分野を絞らずに視野を広くバランス良く学ぶ
  • ②時代を見据え、特定の分野について深く学ぶ

それぞれの解説と良書を紹介していきます。

この記事を書いている私は社会人歴12年、年収1,000万円ちょっとの金融エンジニアです。

これまで12年間、新人向けのシステム解説やチューター業務を通じて新入社員と接して来ました。

当たり前ですが新入社員も様々です。文系出身だったりハッカー気質の人だったり、経歴や性格によっても仕事の悩みも人それぞれ。

でもどんな人であっても、①の「広い視野でバランスよく」学び、②「時代を見据え、特定の分野について学ぶ」イメージで勉強すると良いと思います。

エンジニアはどうしても技術に偏って勉強しがちですが、後述しますが技術は陳腐化します。

タイトルの通り技術の前に幅広く学び、幅広く考えることが大切です。

また、システムエンジニアもキャリア次第で、役に立つ技術は大きく異なります。

エンジニアはまずどんなエンジニア人生を送ることになっても変わらない原理原則や大きな技術トレンドをバランス良く学ぶべきだと思います。

将来に渡って役に立つため、陳腐化しやすい技術書に比べて投資対効果が高いからです。若いうちに学べばさらに効果的です。

少しでも若手の方に良質な情報を解決できればと思い、今回記事にしました。

SEとして幸せに生きる方法を学ぶ

SEとしての最初の一歩は、SEが幸せな社会人生活を送るにはどうしたらよいかを学ぶことが大切だと思っています。

おすすめしたい書籍があり、この本はソフトウエア開発者が「より良い人生」を送るためのノウハウ・スキルを網羅した、生き方のガイドラインです。

例えばキャリアの築き方、自分の売り込み方、技術習得法、生産性の高め方といった仕事で成功する方法にとどまらず、財産の築き方、心身の鍛え方、恋愛で成功する方法など幅広く、「人生全般をより良く生きる方法」を具体的に提案しています。

目標を管理する

勉強や仕事に取り組む上で目標管理が大変重要で、きちんと管理しないと目標と実際の取り組みがブレていってしまい、時間を無駄にしてしまいます。

目標管理について、一般向けとエンジニア向けに2つの記事を書いています。こちらの記事もご覧ください。

まずは視野を広げて、より良い人生を送るためにどんなエンジニアを目指すべきか、本書を手にとって考えて欲しい

毎日会社に行って仕事をしていると会社のために仕事をしているような感覚になりますが、それは間違いです。 仕事は自分のためにするものです。

本書は社内だけではなくエンジニア人生を広く語っています。
例えばお金のこと(給料や資産運用、借金)、健康管理、負けない心の作り方や恋愛、引退に到るまで様々なエンジニア人生について語っています。

この書籍は、どんなエンジニア人生を送るべきか、またそのためには公私問わず何について考えなくてはならないのか、広く訴えかける良書です。

①新人SEがバランス良く勉強するために読んでほしい書籍

新人SEがバランス良く勉強するために読んでほしい書籍

変わらないものを軸に戦略を立てよ」 ー ジェフ・ベゾス(Amazon CEO)

まずはバランス良く基本を抑えられる書籍を5つご紹介します。古い本が多いですが、枯れた技術にこそ本質はありますので。あえて新著は紹介しません。

SEの基本

まずは入門者向けの良書でSEがする仕事の全体像を掴む

少し古い本ですが、SEとして働く人間にとって原理原則となる事項が網羅的に書かれています。今から読んでも全く内容は陳腐化しておらず、入門者には非常に役に立つ書籍です。

システムエンジニアが最初に学ぶべきことを挙げると、ざっとこんなにあります

  • システムエンジニアの職種
  • システム会社の種類と役割
  • 開発/設計手法
  • チームワーク
  • プロジェクトとマネジメント
  • コミュニケーション
  • SEとしてのキャリア

本書は入門書がこれらについて網羅的に学ぶことができる良書です。

ソフトウェア開発で伸びる人、伸びない人

システムエンジニア志すときに考えて欲しい、自分を磨き成長し続けることの大切さ

エンジニアを10年も続けると、同期の間でも能力の差がはっきりと出ます。これは、毎日の仕事の仕方や考え方の厚みが積み重なって、大きな差となるからです。

仕事を進めるうえでの悪い習慣を正し、良い習慣を一つでも多く身に付けることによって、日々の付加価値の積み上げを大きくする事ができます。

本書は多くのエンジニアに対する人間観察をベースにしており、実例によって良い習慣・悪い習慣とは何かを理解する事ができます。 この書籍は良い仕事をするために読むべき良書です。

若手ITエンジニア 最強の指南書

前述の「SEの基本」より技術にフォーカスしたSEの基本をまとめた書籍

エンジニアらしく少し技術的な書籍についても触れておきます。 エンジニアになると、学ばなくてはならない技術が山のようにあります。日々新しい技術が誕生しますから、弁護士顔負けの量です。

本書はエンジニアが身に付けるべき基本的な技術を厳選して学習するのに最適な入門書です。

例えばサーバ・ストレージなどのハードウェア、データベースやネットワーク、プログラミングやOSについて学習する事ができます。

そのほか、設計方法やテストなどの実務、マネジメントやヒューマンスキルについても網羅的に書かれています。

最初に紹介した「SEの基本」と同様に全体像を解説していますが、こちらは経験よりも技術に視点を当てています。そのため、入門者にはこちらの方が理解しやすいと思います。

学びを結果に変えるアウトプット大全

学びを結果に変えるアウトプット大全

仕事で一番大切なのはアウトプットの質と量

仕事を初めて、設計書などの資料を読んで理解した気分になってしまうと、落とし穴にハマります。穴は2つあります。

  • 理解したつもりで浅くしか理解できていない
  • 誰にも伝わらないから評価されない

例えば10ページの設計書を読んで(インプット)、1ページの資料にまとめる作業をする(アウトプット)と、読み直したりわからない部分に気が付いたりして、自分の理解が浅かったことに気がつくと思います。

読んだ内容について打ち合わせで発言(アウトプット)するのも同様で、整理してある程度深く理解していないと相手を納得させるような発言をすることができません。

また資料を読むこと(インプット)は仕事の経過であって、誰かに発言したり成果物まとめるといったアウトプットをして初めて仕事をしたことになります。

本書ではアウトプットの全てを網羅的に解説しており、エンジニアとしてアウトプットの量と質を高め、評価を高めるヒントが詰まっています。

②新人SEが基本的な技術について深く勉強するために読んでほしい書籍3選

新人SEが基本的な技術について深く学ぶために読んでほしい書籍3選

SEならば絶対に理解しておきたい技術にフォーカスし、入門者でも理解できる書籍を3冊紹介します。

Webを支える技術 -HTTP、URI、HTML、そしてREST

Webの仕組みについて詳しく理解する

Webに関わらないエンジニアはいないでしょう。本書はWebを構成する様々な技術を解説しており、それら一つ一つを理解するのに役に立ちます。

ゼロからはじめるLinuxサーバー構築・運用ガイド 動かしながら学ぶWebサーバーの作り方

自分の手を動かして簡単なシステムを作ってみる事が大切です

もし学生時代にLinuxサーバに触れた事がなければ、本書を手にとって実際にサーバ構築をしてみるのがオススメです。 実際にWebサーバを稼働させ、動くものが作れると、達成感もあるはずです。

おうちで学べるデータベースのきほん

データベースは何から手をつけたら良いかわからない、知れば知るほど奥が深くて難しい。

私がインフラエンジニアをしていた時も、アプリケーションエンジニアになってからもデータベースの知識は必須。本書はそんな私がデータベースをきちんと理解するのに一番役に立った良書です。

【今から始める新人&若手SE向け】具体的な学習計画を提案

今すぐ始められる学習プランを提案します。

[具体的な学習プラン]

 【AI時代の教養】 人工知能の基礎について学習する
 【ケーススタディ】 SEとして幸せに生きる方法を学ぶ

順に解説します。

人工知能の基礎について学習する

SEなのに、なぜいきなり最初から人工知能?と思った方もいらっしゃると思いますが・・・もちろん理由があります。

【悲報】会社の先輩に追いついても将来は開かれない

この記事を見られている読者の方は意識が高く、早く先輩社員に追いついて戦力になりたいと考えることと思います。しかしその前に自分の立ち位置となる社会環境・労働環境を理解すべきです。

そのため、将来について具体的な数字を使って話を進めます。経済産業省がまとめたIT人材に関する調査では、2030年のIT人材市場の動向として、以下の予測がされています。

  • 2030年、従来型の職務をこなすIT人材は22万人余る
  • AIをはじめとした先端分野の人材は38万人不足する

かなり衝撃的な報告ではないでしょうか。この報告のエビデンス(元ネタ)は以下の資料です。

出典:経済産業省-IT人材供給に関する調査2019 

 
こういう時代に突入してますから、解決策としてSEの勉強は先端分野を重視すべきです。

AIの基礎学習については無料の人工知能・入門講座をTECH:CAMP が開催しており、社会人・学生問わず無料で受講することができます。

ちゃんとプロの講師が入門者向けに基礎と学習プランを提案してくれるので、新人SEが学ぶ最初の一歩としてかなりオススメできます。

私の場合、2年前に↓の本でAIの基礎学習を済ませました。プログラミングと独学に抵抗のない人ならこちらもオススメです。

番外編
読書に加え、旅行でランダムな出会いと経験を

できれば読書だけでなく、旅行と出会いで未知の経験を得る計画を立てましょう。ライフネット生命 出口治明会長の記事を紹介します。

SEの成長には旅行も有効です

どのようなことから経験を積めばよいのでしょうか。

僕は「人・本・旅」と言っています。たくさんの人に会ったり、たくさん本を読んだり、たくさんの場所を訪れたりして、脳に刺激を与えなければ、良いアイデアは生まれないと思います。

「メシ・フロ・寝ル」の長時間労働から「人・本・旅」の集中短時間労働でアイデアを出さなければ経済が成長しない段階にきているわけです。働き方改革を行い、長時間労働を是正して生産性を上げなければいけない。生産性を上げるということは、自分の頭で考えて5時間の仕事を3時間で済ませるように工夫するということですから、人が成長するということです。そのためにも働き方改革は不可欠だと思います。

出典:出典:「生産性向上へ『人・本・旅』のススメ」 

 
海外旅行では、日本に100年住んでいても得られない新しい経験をすることができます。できれば計画を全て自分で立て、一人旅してみるのが良いです。

現代では後進国の中心街の方が日本国内よりもずっと発展していたりします。今後働き方はさらにロケーションフリーになっていき、ビジネスもグローバルでさらに大きく再編されていくでしょう。

そうすると、各国のビジネスの中心街はますます発展し、どこの国でも均質になっていくでしょう。一方でローカルはローカルとして残り、グローバルなエリアとローカルなエリアの差はますます鮮明になっていくでしょう。

こうしたことは、我々のキャリアにとっても決して他人事では無いのです。

バックパックと今話題のアクションカメラ一つで旅行してみてはいかがでしょうか。きっと素晴らしい経験ができますよ。

おわりに

今回は以上です。自己研鑽の参考になりましたら幸いです。

 初回無料の人工知能・入門講座(外部サイトTECH:CAMP )
 技術者不足の衝撃実態、従来型IT人材は2030年に10万人余る(外部サイト )

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