エンジニアなら機械翻訳で十分です【英語学習の優先度が低い理由】

IT業界(SIer)

新人のエンジニア「エンジニアとしてSIerに就職しました。将来のために今から勉強しておきたいので、とりあえず英語を学習しようと思います。ほとんどのプログラミング言語は海外で作られているし、アメリカの製品やサービスがすごく多いので、エンジニアとして英語は必須だと思います。英語を勉強しておけばエンジニアとして間違いないですよね?」

こういった疑問に答えます。

本記事の内容

  • 英語の学習が不要な理由1:使わないで済むから
  • 英語の学習が不要な理由2:習得までの学習時間が長くて非効率
  • 英語の学習が不要な理由3:動機がない(明確な動機がある人は学習すべき)
  • 英語を学習すべき人とは?
  • エンジニアが英語より優先して学習すべき事は何?【3選】

この記事を書いている私は、国内のSIer出身でIT業界歴12年。インフラエンジニアを6年経験した後に、アプリケーションエンジニアに転職して6年です。その間の10年はセキュリティエンジニアを兼任。
現在の年収は1,000万円ちょっと。その経験を踏まえてこの記事を書きました。

持論:英語は勉強しなくてよい

英語を勉強しなくてよいという、3つの理由を説明します。

理由1:使わないで済むから


私は英語はほとんど話せませんが、今後勉強する予定もありません。国内SIerで働いていますが、これまでも今後も英語を使う見込みがないからです。

Oracleをはじめとした海外製品を業務で扱ってはいますが、サポートは日本語で受けられます。英語必須なのはトラブル対応などで米国から技術責任者を招いたときくらい。

その時も通訳がつきますし、社内に海外担当の専門部署もあるので、まず語学がネックとなることはありません。

プライベートでは海外旅行に年数回行きますが、中学・高校レベルの英語を思い出しつつジェスチャーを駆使すれば何とかなりますし、それがまた楽しくて、困ることはほとんどありません。

意外と英語って使わなくてもなんとかなります。

理由2:習得までの学習時間が長くて非効率


英語の習得に必要な学習時間はどのくらいでしょうか。アメリカ国務省の付属機関であるFSIが公表しているデータによれば、日本人が英語を習得するのに必要な時間は2,200時間だとか。

  • 中学英語 = 50分 × 4時間/週 × 年間35週 × 3年間 = 350時間
  • 高校英語 = 50分 × 5時間/週 × 年間35週 × 3年間 = 437時間
  • 大学英語 = 90分 × 2時間/週 × 年間30週 × 2年間 = 180時間

中学から大学までの英語の学習時間を積み上げても1,000時間にも満たないのですから、さらに社会人になってからも1,000時間学習する必要があります。これは1日1時間勉強しても2年半以上かかります。

もちろん勉強を否定するわけではないです。社会人であれば新人であってもシニアコンサルタントや部長職などの上級職であっても、時間を見つけて勉強することはとても大切です。

でも仕事は忙しいし、プライベートだって用事があるでしょうから、時間は限られます。遊びも含めて、人生はやらないといけないことが沢山ありますよね。

動機がない(明確な動機がある人は学習すべき)


しっかりとした動機がなければ継続することも難しく、挫折してしまうリスクが高まります。

また1,000時間もかけて勉強することを良く考えて、必要な学習が英語なのか他の知識なのか、実際に学習を始める前に真剣に考えなくてはなりません。

大切なのは、何故それに時間をかけるのか、理由を明確にする

  • なぜ英語を学習するのか
  • なぜ英語でなくてはならないのか
  • 目指すキャリアは何なのか

【年収アップ】英語を学習すべき人


例えばわかりやすい例ですが、外資系企業に転職したい人の例をみておきます。

例:外資系企業に転職したい

  • なぜ英語を学習するのか:
    5年後に外資系コンサルティングファームに
    ITコンサルタントとして転職することで、キャリアップしたいから。
  • なぜ英語でなくてはならないのか:
    ITコンサルタントとしての市場規模の大きな外資系企業を対象としたいから。
    さらに進歩の早いIT業界において、トレンドをいち早く知り得るという
    英語のメリットも活かしたいから。
  • 目指すキャリアは何なのか:
    外資系コンサルティングファームでITコンサルタントとなった後、
    社内外/国内外問わずAIやブロックチェーンなど最新のIT動向を集め、
    経営層をサポートするCIOアドバイサリーを目指したい。

このキャリアを目指すならば、迷わずすぐに英語を学習すべきです。英語は外資系コンサルティングファームで働くうえで必須と言ってもいいですし、最新技術を学習するうえでも強力な武器になります。

年収アップのために英語を学習するのはアリです。
ただし、国内企業で英語が話せてもほとんど年収アップには繋がりません。外資系企業に転職するため、英語を学習して年収アップを目指すというキャリアは検討の価値があります。

エンジニアが英語より優先して学習すべき事は何?【3選】


最後に、エンジニアとして英語よりももっと優先して学習して欲しい事は以下の2つです。ポイントは、いずれも社内の評価があがって年収アップに繋がりやすく、転職にも有利だからです。

  • 仕事で経験している工程よりも一つ上流の工程を勉強する
  • 業務知識を身につける
  • プロジェクトマネジメントの全容を学ぶ

プログラミングには興味があっても、業務知識には興味がないという方もいらっしゃると思います。その場合は、興味を持てるような業務ができる部署に異動、または転職した方がいいです。

なぜなら、プログラミングだけではいずれキャリアを積み上げられなくなってしまうから。将来を考えて、前向きに業務知識を身につけられる仕事をしましょう!

仕事で経験しているよりも一つ上流の工程を勉強する

①もし今pg(プログラマー)としてプロジェクトに参画しているなら、システムエンジニアとしての働き方について本を読んでみてください。

②詳細設計が主なタスクのエンジニアであれば、概要設計について学んでください。

③概要設計をしている人であれば、要件定義について学んでみてください。

SIerで働く以上、上の工程に行くほど評価される機会が多いですから、今の仕事よりも一つ上の工程の仕事を将来やる準備をしておくのが効果的です。

業務知識を身につける

①もし今pg(プログラマー)ならば、ソースコードや詳細設計書からどのような業務を自分が担当しているのか、また他にどのような業務があるのか、意識して学習してください。

②詳細設計をしているなら、概要設計書を読み込んでどのような業務を実現するために詳細設計しているのか理解してください。

③概要設計をしている人は、ユーザから要件をヒアリングする際、ユーザがどのような業務を回しているのか詳しく確認してみてください。

また各業界ごとに一般的な業界の業務知識について本が出ていますから一度読んでみてください。

SIerの世界は、技術よりも業務を知っている人間の方が強いです。プロジェクトの原始となるお金を出してくれるユーザにとっても、技術よりも業務のわかる人の方が話しやすく、信頼を獲得しやすいため、中長期的なキャリアアップに繋がります。

もしあなたがインフラエンジニアやセキュリティエンジニアだったとしても、業務知識はとても大切です。例えば、あなたの部署の部長はきっとユーザの業務にも詳しいはずです。

プロジェクトマネジメントの全容を学ぶ

最後に、SIerで生き残るためにプロジェクトマネジメントについて体系的に学んでおくのがオススメです。具体的にオススメの本がありますので紹介します。
失敗しないITマネジャーが語る プロフェッショナルPMの神髄(日経BP Next ICT選書)
プロジェクトマネジメントをやったことのある人はもちろんのこと、プロジェクトメンバーとして参画している人には是非読んで欲しい本です。

プロジェクトマネジメントとは何かという事だけではなく、プロジェクトマネージャーがメンバーであるあなたに何を意識してその指示を出しているのか、理解できるようになると思います。

今回の記事は以上になります。

なんとなく英語を勉強するのはやめましょうよ、という提言でした。

私も社会人になって一度、先輩の勧めで英語を勉強したことがあったのですが、全く長続きしませんでした笑。

自分のキャリアとやるべき学習内容を良く考えて、必要なことに対して効率的に時間を使っていきたいですね。

最後まで読んでくださいましてありがとうございました!