SIerの仕事内容について解説します|付加価値の高いものを中心に

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「SIerの社員ってどんな仕事をしているんでしょうか。職種について知りたいです。また、将来を見据えて、どんなスキルを磨いたらいいのかな?」

こんな疑問を解決します。

本記事の内容

  • SIerでの仕事内容とは
  • 一番大切な仕事はプロジェクトマネジメント
  • 【まとめ】SIerで1,000万円稼ぐには?

SIerでの仕事内容とは

SIer社員の仕事内容は、職種立ち位置(上流/下流)によって大きく異なります。順に解説していきます。

SIer社員の職種

SIerに就職すると主に以下のような職種があります。

  • 1.アプリケーションエンジニア
  • 2.インフラエンジニア
  • 3.運用・保守エンジニア
  • 4.テクニカルスペシャリスト

1.アプリケーションエンジニア

その名前の通り、アプリケーション開発を行うエンジニアのことです。ユーザが作りたいシステム、欲しい機能をヒアリングし、それを実現します。

スマホですと、App StoreやGoogle Playからダウンロードできるアプリを作るイメージです。

実はアプリ開発のためのプログラミングは外注するのが一般的で、アプリケーションエンジニアという職業名にも関わらず、プログラミング経験が全く無くてもSIerなら年収1,000万円も可能です。ではどういう人が1,000万円プレイヤーになるのでしょうか。特徴を2つ挙げます。

  • ①システム化する対象の業務に詳しい人
  • ②(社会人として)管理能力の高い人

①システム化する対象の業務に詳しい人

例えば、ショッピングサイトの開発現場なら、ショッピングサイトのビジネスモデルとその実務に詳しく、経験豊富な人が該当します。開発を委託していた社員の方が転職でSIerに就職した場合などが想定されます。

②(社会人として)管理能力の高い人

各担当者を束ねてそれぞれの仕事が上手く進むように適切なサポートをしたり、トラブルにいち早く気がつき、対応ができような、課長または課長補佐のような人が該当します。

アプリケーションエンジニアにとって①も②も大変重要なスキルで、SIerではプログラミングなどのITスキルよりも重視されます。
というのは、実はSIerでは「技術力で解決する」という発想があまりありません。

システムというと技術っぽいですが、SIerではバリバリの先端技術を駆使することは少ないです。10年20年経過したような枯れた技術も使われます。それも外注先の企業が手を動かして作っていきますので、SIerではプロジェクトの管理や人の管理がメインタスクになるのです。

2.インフラエンジニア


インフラといえば電気・ガス水道のことですが、SIerでインフラというとOSや他社のソフトウェア製品、ネットワーク(インターネット回線など)、コンピュータそのものなどのことを言います。アプリケーション開発する時に前提として必要になるインフラという意味です。

インフラエンジニアはアプリケーションを動かすための様々な機能を提供しますが、アプリケーションそのものを開発する訳ではありません。重要なのは、インフラ部分の機能が安定的に動き続けることです。

そのため、アプリケーションエンジニアと比べてインフラエンジニアは慎重に丁寧に間違えのなく仕事を進める能力を求められる傾向にあります。

アプリケーションエンジニアが業務課題を解決する攻めのエンジニアであるのに対して、インフラエンジニアは安定稼働をメインタスクとする守りのエンジニアです。この辺りは個人の性格や適正も考えて選択するのが良いですね。

3.運用保守エンジニア

運用保守エンジニアは、既に動いているシステムを見守る仕事です。例えばどこかのプロバイダーで回線障害があった場合、自社のシステムもネットワークが繋がらなくなり、混乱することがあります。
(基本的には混乱しないよう、あらかじめ別のネットワークを予備に繋げておくといったことが開発段階で行われています)

運用保守エンジニアのメインタスクは、こうしたトラブルシューティングを行うことです。大変なのは、システムは24時間動き続けることが多いこと。夜中でも誰かがトラブルシューティングしなくてはなりません。

このほか、古くなったOSや機器の保守切れ対応(アップデート)や、サイバー攻撃への対応なども含まれることがあります。

運用保守は上手く回すと大胆にコストカットでき、ビジネスとしてとても美味しい商売なのですが、SIerの中には運用保守をせずに、開発しかしない会社も多くあります。そのため、運用保守エンジニアとして年収1,000万円以上稼ぐのは、アプリケーションエンジニアやインフラエンジニアと比べると狭き門といえます。

4.テクニカルスペシャリスト

ネットワークやデータベース、プログラミング言語など特定の技術に特化したタイプのエンジニアです。技術力で勝負します。

ただしSIerではあまりテクニカルスペシャリストの需要がありません。前述したように、SIerでは「技術力で解決する」という発想が乏しいからです。

一方、近年ではビックデータやAI、セキュリティ分野を扱う専門家もテクニカルスペシャリストです。これらは、先端技術者の中でもイノベーションを起こすとされる技術で、SIerでも注目度が高く、育成に力を注いでいる企業が多いです。一つの基準として、「日本経済新聞」で頻繁に記事となるレベルで注目されている先端技術であれば、SIerでもテクニカルスペシャリストとして高級が取れるでしょう。ただし、そういうスキルがあれば別にSIer出なくても年収1,000万円以上稼げてしまうと思いますが・・・

SIerとしての立ち位置(上流/下流)

SI業界のうち、どの工程の業務を担当するかによっても仕事内容は大きく変わってきます。工程にフォーカスした業界構造を以下に図示します。

SIerのピラミッド

上流/下流それぞれの業務工程に注目し、それぞれ特徴が異なっている仕事内容を解説します。

  • A.下流工程を担当するエンジニアの仕事内容
  • B.上流工程を担当するエンジニアの仕事内容

A.下流工程を担当するエンジニアの仕事内容

中小SIerや大手企業でも若手のうちは、下流工程の業務がメインとなります。下流工程の仕事は実際にサーバに入って手を動かす仕事です。

詳細設計、開発(プログラミング)やテストをしたりします。保守系の業務であれば、開発ではなくサーバ上で作業をします。Javaなどのプログラミング言語や、Linuxのコマンドを覚えておくと役に立つでしょう。

B.上流工程を担当するエンジニアの仕事内容

大手・中堅企業に数年勤務すると、上流工程の仕事を任されます。上流工程では、無理難題や非論理的な要望が入り混じった顧客ニーズを聞き出し、ロジカルな形に整理し、実現可能なシステム設計に落とし込むことが主な業務です。理解力と情報整理、そして資料作成能力が問われます。

一番大切な仕事はプロジェクトマネジメント


これまで見てきた通り、SIerで花型の仕事はアプリケーションエンジニアとインフラエンジニアです。これらに共通して最も大切な仕事は、「プロジェクトマネジメント」でしょう。
プロジェクトマネジメントとは、その名の通りプロジェクトを管理する能力のこと。例えばこんなプロジェクトを管理します。

アプリケーションエンジニアによるプロジェクトマネジメント(例)

  • ショッピングサイトのサービス拡充で、今後は購入金額に応じてお客様にポイントを付与する
  • 自社が運営する仮想通貨の取引所の価格情報を、Amazon echoやgoogle スピーカーでの音声での問い合わせに対して応答するようにしたい

インフラエンジニアによるプロジェクトマネジメント(例)

  • 働き方改革で在宅ワークに対応するため、セキュリティを守りながら社内のネットワークやデータに在宅でアクセスできるようにする
  • 本社を横浜から渋谷に移転するのでシステムの引っ越しをする

プロジェクトマネジメントとは、経営課題をシステムの力で解決する際に最も重要なスキルです。時に社運を左右しますから、年収も当然高いのです。ではプロジェクトマネジメントをする時、何が大切になるのでしょう。

プロジェクトマネジメントに必須のツール3選


年収1,000万円プレイヤーを目指すなら、以下の3つのツールを使いこなせるようになりましょう。小さなプロジェクトの担当であったり、役のないチームメンバーでもSIerに勤務していると、日々見ているものばかりだと思います。

  • スケジュール
  • 体制図
  • システム図

スケジュール

システム開発でスケジュールと言えば、以下の内容です。

  • 何を作るのかを決めなくてはならない期限
  • どうやって作るのかを決めなくてはならない期限
  • いつからいつまでの間にプログラム開発をするのか
  • いつからいつまでの間に開発したプログラムのテストをするのか
  • リリースの準備やリハーサルを終えなくてはならない期限
  • サービス提供を開始する予定日

上の各項目それぞれに対して、チェックポイントを決めてスケジュール通りに各チーム・各担当者が動けているかチェックするのがプロジェクトマネジメントです。仕事が上手くいっていないチームや担当者のフォローもしっかりします。また各タスクについて、予定と実績の差を見えるようにすることも大切です。

体制図

体制図では以下の管理をします。

  • 開発依頼元の発注者、責任者、担当者は誰か
  • 開発する側の責任者、プロジェクトマネージャは誰か
  • 開発する側にはどのような仕事をするチームが何チームあるか、各チームリーダーは誰か
  • 外注先も含めて、ひと月に各チーム何人動いて、およそいくらコストがかかるか

システム開発をするのは人ですから、人の体制というのはとても重要です。パッと体制図に目を通すと、それだけでプロジェクトが上手くかダメそうか判ってしまうものです。プロジェクトマネージャはこうした情報を把握して、体制に不安があれば要員の追加や交代によって失敗プロジェクトにならないように整えることが重要な役割です。

システム図

システム図のポイントは以下の通りです。

  • 作りたいシステムはどのような機能で構成されているのか
  • 他のどのシステムと繋がっているのか
  • チームごとにシステムのどの部分の構築を担当するのか

まず作りたいシステムはどのような機能で構成されているのか絵に書いて見ます。これが非常に難しく、「要件定義」と呼ばれる「何を実現するシステムを作るか?」が明確でないと全く書けません。そのため、プロジェクトの立ち上げでいきなり書けるようなものではないのです。

また、システムは独立して存在するものではなく、他のシステムと繋がっているものです。例えばアマゾンや楽天などのショッピングサイトは、各店舗の在庫情報を管理する他システムと繋がっているはずですし、決済についてはVISAなどのクレジットカード会社、配送についてはヤマト運輸などとシステム的に繋がっているはずです。こうした接続先システムを漏れなく把握し、その機能を理解することは管理上とても大切なのです。

さらに構築について言えば、各チームが漏れなくダブりなくシステムを作れるよう、担当業務を上手く切り分けることが大切です。その結果、業務AはAチームで担当し、業務BはBチームといったように、役割が綺麗にシステム図に書くことができると非常に良いです。これもやってみるとなかなか上手くいかないのですが。。。プロジェクトマネージャの腕の見せ所の一つです。

【まとめ】SIerで1,000万円稼ぐには?


以上の内容をまとめると以下の通りです。

  • 転職希望なら、職種はアプリケーションエンジニアかインフラエンジニアがおすすめ
  • 若いうちから意識して身につけるべき能力はプロジェクトマネジメント力
  • 将来はプロジェクトマネージャを目指すのが王道
  • スケジュール、体制図、システム図を平社員のうちから使いこなせるように訓練しよう

SIerの業務はかなり忙しく、目先のタスクに時間を取られがちです。でも欲しいスキルを意識して業務を通じて磨くようにしないと、忙しいだけで全くスキルアップに繋がらない日銭稼ぎになってしまいます。

そうならないよう、目的意識をしっかりと持って日々の業務に取り組んで、自らの付加価値を高めていけば、転職を機に年収1,000万円を軽く突破できるはずです!

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