会社の将来性を見通す方法|将来性の高い企業ランキングあり
企業の将来性について調べる人
「会社の将来が不安で、この先の将来性があるのか知りたいです。何を見れば、企業の将来性ってわかるのでしょうか?」
こんな悩みに答えます。
本記事は、次の読者を想定しています。
- 就職活動中の人
- 転職活動中の人
- 中長期の株価を予想したい人
本記事の内容
会社の将来性を読み解くため、次の2STEPで解説します。
これに加えて、東洋経済オンラインの「成長性・将来性がある会社」ランキング上位10社を分析し、将来性のある会社とはどのような会社か考察していきます。
- STEP1: 社会の大きな流れに合わせて会社が成長しているか?
- STEP2: 同業他社と比べて会社が成長しているか?
- 「成長性・将来性がある会社」ランキング上位10社とその解説
STEP1: 社会の大きな流れに合わせて会社が成長しているか?
まず社会の流れを見ていきます。株価を使ってみると理解しやすいでしょう。
ファーストリテイリングの将来性を例に解説
ファーストリテイリングを例に会社の将来性を確認していきます。
- 世界の動き NYダウ平均を確認
- 日本の動き 日経平均を確認
- 会社の動き 会社(ファーストリテイリング)の株価を確認
細かい値動きはノイズだと思って良いので、ざっくりと世界と日本の情勢が好調か不調か
を見ていきます。
なお、将来性を知りたい会社が上場企業でない場合は、「会社の動き」を株価で評価できません。代わりに売上高と純利益の増減で評価すればOKです。
ざっくり評価すればそれでOKです。上の例では、以下のことがわかります。
- 世界の動き NYダウ平均は好調
- 日本の動き 日経平均も好調
- 会社の動き 会社(ファーストリテイリング)の株価も好調
世界経済や日本経済の動きと連動して好調なので、ファーストリテイリングの将来性は明るいと言えます。
逆に世界経済や日本経済が不調のときは、個別企業も不調でも仕方ありません。
しかし次の例はよくありません。世界経済も日本経済も好調なのに、この企業の株価はこれに反して下がっています。
ファーストリテイリングは今のところ明らかに好調ですから、安心できます。しかし上の企業のように不調に思われる場合は就職を控えたり、既に社員であれば転職を検討して良いです。
将来性を見定めるため、STEP2に進みます。
STEP2: 同業他社と比べて会社が成長しているか?
STEP2では、自分が調べてる会社の業績が悪い場合の原因を探ります。同業他社と比較し、どちらのケースに当てはまるか確認します。
- 同一業種の他の企業の株価が不調で、自分が調べてる会社の業績も悪い
- 同一業種の他の企業の株価が好調なのに、自分が調べてる会社の業績が悪い
それぞれ解説します。
同一業種の他の企業の株価が不調で、自分が調べてる会社の業績も悪いなら、その業界の将来性は疑わしい
同一業種の他の企業の株価も中長期で見て不調なら、会社というよりもその業種自体に将来性が無い可能性が高いです。
新規事業やM&Aなどによって業種を超えた変革を行う意思が経営陣になければ、将来性はないでしょう。
同一業種の他の企業の株価が好調なのに、自分が調べてる会社の業績が悪いなら、その会社の将来性は疑わしい
同一業種の他の企業の株価が好調なら、会社経営に問題がある可能性が高いです。社内で改革ができるかが問われます。
(参考記事)IT業界の将来性は?
他業種の将来性にも大きな影響を与えるIT業界は今後どのように変化するのでしょうか。以下の記事では、IT業界の将来性について解説しています。
IT業界10年後の動向について【金融エンジニアが解説】
IT業界の動向が知りたい人「IT業界を志望していますが変化が早い業界のため10年後は仕事が無いかもです。安定した収入をずっと得るにはどんな仕事をすればいいでしょう」→こんな疑問に答えます/1.10年後の世界で今と変わるもの、変わらないもの。/2.IT業界の10年後の動向/3.IT業界で働くならこんな仕事がオススメ
「成長性・将来性がある会社」ランキング上位10社
出典:東洋経済オンライン「成長性・将来性がある会社」154社ランキング
東洋経済者が独自にまとめた「成長性・将来性がある会社」154社ランキング。カイシャの評判の掲載企業のうち、口コミ件数が累積120件以上で、アンケートへの回答者が30人以上の企業を対象に集計しています。
アンケートのうち、「成長性・将来性のある企業だと思いますか?」に対して、「はい」と回答した人の割合をポイント化し、高い順に並べたものです。
経済のプロによる分析ではなくアンケートの回答を集計したものなので、参考程度に捉えるのが良いです。そのうえでこのランキング結果について分析していきます。
順位 | 企業名 | ポイント |
---|---|---|
1 | グーグル日本法人 | 89 |
2 | リクルートライフスタイル | 88 |
3 | アマゾン ジャパン | 85 |
4 | キーエンス | 84 |
5 | 花王カスタマーマーケティング | 83 |
5 | 伊藤忠商事 | 83 |
7 | 花王 | 82 |
8 | スターバックスコーヒージャパン | 81 |
8 | オリエンタルランド | 81 |
8 | ファーストリテイリング | 81 |
8 | ダイキン工業 | 81 |
8 | ソニー生命保険 | 81 |
8 | セリア | 81 |
8 | 日本電産 | 81 |
15 | トヨタ自動車 | 80 |
15 | アクセンチュア | 80 |
15 | デンソー | 80 |
15 | 良品計画 | 80 |
15 | プルデンシャル生命保険 | 80 |
15 | ザラ・ジャパン | 80 |
「成長性・将来性がある会社」ランキングの分析
ランキング結果を分析し評価します。
グーグル、アマゾンの日本法人が上位
GAFAからグーグルとアマゾンの日本法人がランクイン。異論ありませんね。日本企業の将来性を占ううえでは、GAFAとどう共存していくかという問題を避けていられません。
ホットペッパー、じゃらん、ポンパレを運営するリクルートライフスタイルが2位。しかし将来性は不透明感が強い
日本独自のWEB系企業としてリクルートライフスタイルがランクインしています。リクルートは飲食店やホテルなどローカル企業との関係性を生かしたWEBサービスを展開しており、GAFAとは異なる強みから成長しています。こうした理由から将来性を感じる人が多いのでしょう。
一方でWEBによる飲食・ホテル・物販はGAFAと競合します。これまでのところリクルートグループはGAFAと共存していますが、GAFAがテクノロジーと資本力を強みにビジネスを急拡大する中で、今後もテクノロジーと資本力で劣るリクルートがローカルの強みでWEBビジネスのシェアを伸ばし続けられるかはかなり不透明だと思います。
GAFA以外もグローバル企業が上位にランキング
ファーストリテイリング、スターバックス、オリエンタルランド、日本電産、トヨタ、デンソー、アクセンチュア、プルデンシャル、良品計画、ザラ。いずれも世界に名だたるグローバル企業がランキング上位に入っています。
世界の市場はボーダレスになり、競争がグローバル化していますから、将来性のある企業=グローバル企業という傾向が見てとれます。
現代で成功する企業はローカルのマーケットに止まらず世界のマーケットでシェアを拡大する傾向があります。ユニクロも元々は山口県宇部市の小売店に過ぎなかったことからも現代のマーケットがグローバル化していることがよく理解できます。
グローバル経済と疎遠なローカル企業は将来性に難あり
このランキングから、これからの会社の将来性を語るうえでは、ローカルなサービスを展開する企業であってもグローバル化の流れに飲み込まれない企業でなくてはならないことが推察できます。
地方銀行がジリ貧になり再編を余儀なくされたり、メガバンクが台頭していることもグローバル化と無関係ではありません。グローバルに目を背け地域だけのルールでビジネスが成り立つ時代ではないということですね。
今回は以上です。参考になりましたら幸いです。