ITサービス企業ランキング【転職先としてSIer最大手7社を評価します】
「業界大手の野村総合研究所の平均年収は1235.2万円か〜。。日本のITサービス業界に転職するのって、将来性はどうなんだろう?」
こういった疑問を答えます。
この記事を書いている私は、シンクタンクで14年間、IT分野の仕事に従事してきました。現在は管理職ですがITを専門に業界動向を常にチェックしているため信頼性の高い情報を提供できると思います。
はじめに
ITサービスという言葉が「ふわっ」としているので、すこし言葉を定義しておきたいと思います。
「疑問:ITサービスって何のことですか?」
教科書的な回答としては、ITを使った問題解決全般のこと。大手企業では、システム開発がメインです。システム開発の前(何を作るか)とその後(作ったシステムの維持やメンテナンス)のタスクも、ITサービスに含まれます。またコールセンターやIT人材派遣を含む場合もあります。
疑問:『SI』と『ITサービス』って同じ意味ですか?
一般に、ITサービスはITを使った問題解決全般のことを表し、SIはその中でもシステム開発を表します。SI業界でも、厳密にSIだけするわけではないので、SIよりITサービスという言葉を使ったほうが、多くの場合は適切かな、と思います。
本題です
先日、調査会社のIDCより最新のITサービス事業者ランキングが発表されました。集計はITサービスの売上ベースでして、結果は以下の通りです。
国内ITサービス市場ベンダー売上ランキングを発表
2019年の国内ITサービス市場規模は5兆8,558億円、前年比成長率は3.2%でした。ベンダー売上の上位5社は、1位から順に、富士通、日立製作所、NTTデータ、NEC、IBMとなりました。最大手5社の顔ぶれおよび順位は2018年から変わっていません。
[国内ITサービス 売上ランキング]
- 1位:富士通
- 2位:日立製作所
- 3位:NTTデータ
- 4位:NEC
- 5位:日本IBM
- 6位:TIS
- 7位:野村総合研究所
働くなら、年収や残業が気になる・・・
本記事では、これらのITサービス大手7社について、転職先としての良し悪しを、社員への待遇から評価していきたいと思います。
【日本の最大手ITサービス企業】転職ランキング
4つの視点で企業をランキング化します
本記事では以下の4つの視点で日本の大手ITサービス企業の企業を評価し、ランキング形式で企業を分析していきたいと思います。
[本記事の4つのランキング]
- 1. 企業の安定性
- 2. 社員の平均年収
- 3. 社員による自社評価
- 4. 社員の残業時間
企業の安定性
会社の売上から、企業の安定性をランキング形式で紹介します。
社員の平均年収
就職・転職を検討する際、会社の平均年収は最も気になる情報です。
上場企業が公開している情報から、社員の平均年収を見ていきます。
日本企業は年功序列のため、会社の平均年齢が上がれば社員の平均年収も上がります。参考のため、社員の平均年齢も合わせて掲載します。
社員による自社評価
OpenWorkに投稿された社員による自社の評価を見ていきます。
実際に働いている人の統計的な評価というのは、かなり有効な指標だと思いますので、ぜひ参考にして見てください。
社員の残業時間
OpenWorkに投稿された社員による残業時間の申告を集計しました。
残業時間からは、転職後の働き方が見えてきます。ぜひ、参考にしてください。
日本の最大手ITサービス企業の安定性ランキング
- 日立製作所87672.6億円 (301056 人)
- 富士通38578億円 (129071 人)
- 日本電気30952.3億円 (112638 人)
- エヌ・ティ・ティ・データ22668.1億円 (133196 人)
- 野村総合研究所5288.73億円 (13278 人)
- TIS4437.17億円 (19744 人)
日本の最大手ITサービス企業の平均年収
- 野村総合研究所1235.2 万円 (40.4 歳)
- 日立製作所902.7 万円 (42.3 歳)
- エヌ・ティ・ティ・データ833.8 万円 (38.9 歳)
- 日本電気814.8 万円 (43.7 歳)
- 富士通803.7 万円 (43.6 歳)
- TIS701.9 万円 (40.3 歳)
日本の最大手ITサービス企業社員による自社評価
- 野村総合研究所4.20
- 日本アイ・ビー・エム3.92
- エヌ・ティ・ティ・データ3.84
- 日立製作所3.49
- TIS3.37
- 日本電気3.25
- 富士通3.15
日本の最大手ITサービス企業の平均残業時間
- TIS26.6時間
- 日本電気27.6時間
- エヌ・ティ・ティ・データ31.0時間
- 富士通31.8時間
- 日立製作所34.8時間
- 日本アイ・ビー・エム41.1時間
- 野村総合研究所46.6時間
ITサービス最大手7社の特徴を解説します【経験談あり】
野村とTISは会社の規模は同程度ですが特徴の違いは明らかで、バリバリ働いて給料も高いのが野村、そこそこ働いてそこそこの給料なのがTIS。
両方の社員さんとお付き合いがありますが、野村はエリート感があり意識高い系で、TISはまったり感がでており、両者の違いは明らかかと。
日本電機・富士通・日立製作所はいずれも日本を支えてきたメーカーとして、似たような雰囲気があります。同じメーカー系SIerとして、年収や残業などの待遇に大差は無いと思います。
日本IBMもメーカーですし、わりと外資の皮を着た内資企業なので、待遇は他のメーカーよりも良いもののそこまでの大差は無いと思います。そして、たまに無茶苦茶、優秀な人がいます。
最後のNTTデータは一緒にお仕事したことが無いので、コメント控えさせていただきます。
ITサービス大手企業に中途採用で入社する方法
シンプルに、7社全て受けましょう。ITサービス業界は人材不足で、いつも中途採用を募集していますので。
統計的にも、転職で1社内定をもらうには、だいたい10社受ける必要があります。ですからはやり、大手ITサービス業界で働きたいなら、7社すべて受けるのが正解です。
どこに入社するかは、内定をもらってから悩めばいいかと。
富士通
[労働環境の評価]
- 平均年収[ランキング5位]:803.7万円
- 社員評価[ランキング7位]:3.15(やや高い)
- 平均残業時間[ランキング4位]:31.8時間(ふつう)
日立製作所
[労働環境の評価]
- 平均年収[ランキング2位]:902.7万円
- 社員評価[ランキング4位]:3.49(やや高い)
- 平均残業時間[ランキング5位]:34.8時間(ふつう)
NTTデータ
[労働環境の評価]
- 平均年収[ランキング3位]:833.8万円
- 社員評価[ランキング3位]:3.84(高い)
- 平均残業時間[ランキング3位]:31.0時間(ふつう)
NEC
[労働環境の評価]
- 平均年収[ランキング4位]:814.8万円
- 社員評価[ランキング6位]:3.25(やや高い)
- 平均残業時間[ランキング2位]:27.6時間(ふつう)
日本IBM
[労働環境の評価]
- 平均年収:非公開
- 社員評価[ランキング2位]:3.92(高い)
- 平均残業時間[ランキング6位]:41.1時間(多い)
TIS
[労働環境の評価]
- 平均年収[ランキング6位]:701.9万円
- 社員評価[ランキング5位]:3.37(やや高い)
- 平均残業時間[ランキング1位]:26.6時間(ふつう)
野村総合研究所
[労働環境の評価]
- 平均年収[ランキング1位]:1235.2万円
- 社員評価[ランキング1位]:4.20(とても高い)
- 平均残業時間[ランキング7位]:46.6時間(多い)
日本の最大手ITサービス企業ランキングまとめ
「業界売上トップ企業は日立製作所、平均年収のトップは野村総合研究所で1235.2万円、社員の評判が最も高いのも野村総合研究所だね。就活の参考にしよう!」
今回は以上です。参考になりましたら幸いです。
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