SIerをやめたいときの処方箋|ポジティブな転職をしよう
SIerの仕事はハードです。私自身も仕事が辛くてやめたいなと思うことも多かったです。実際にSIerから転職していった同期や知人もたくさんいます。
IT業界だけでなく、食品業界に転職した人、出版業界に転職した人、カナダに留学した人、飲食店を開業した人までいます。
キャリアは一本道ではないので、次のステップは戦略的である限り自由でいいと思います。
14年間、たくさんの同期・知人から聞いた転職の話、そして時には彼らの辛そうな顔も見てきましたから、その度に考えを深めてきたキャリア像や人生観が少しでも誰かの役に立つことがあるのではないかと思って、この記事を書きます。
私はSIer歴14年の金融系エンジニアです。長らくユーザー系SIerでエンジニアとして働きながら、IT業界の動向をみてきました。
自分の経験も踏まえ、SIerをやめたいと悩んだときの対処法について記します。
SIerをやめたい理由【すべて実話】
激務すぎて、やめたい
炎上プロジェクトにアサインされてしまった、障害が多い、仕事の手戻りが多いなど、仕事が回らない状態が続いて、ひどい状況になってしまう事があります。
SIは担当者レベルでもマネージャーのように人を動かす仕事なので、対人関係から責任の重さを痛感したり、自分の思うように仕事が進まない状況の中で悪い報告ばかり受けて苦悩することもあると思います。
人間関係が辛くて、やめたい
SIerは仕事上の関係者が多く、人間関係は結構ハードです。
例えば、関係者の中に理不尽な人や話をごまかすような人がいると、仕事を円滑に進めるのが難しくなって、仕事の難易度が理不尽に上がってしまった、という経験をしたことのある人も多いはずです。
仕事を評価されなくて、やめたい
一生懸命働いても評価されない、要求レベルが高くて、ハードすぎるということもあります。特に評価の悩みは昇格のタイミングで顕在化しやすく、思ったより評価されていないな、と感じる人も多いはずです。
上司が厳しくて、やめたい
上司が無茶振りしてくる、レビューが厳しすぎて通らないといった状況で、頭を抱えた経験のある人も多いはず。部下の成長を促すあまり、厳しすぎる対応を取られてしまうと、もう無理だなと感じてしまうことも。
仕事が楽しくない、やめたい
プロジェクトの計画や調整ばかりで技術が身につかない、何のためにやっているのか意義が見出だせないと思う人も多いです。そんな状況でも、仕事を通じて確実に成長しているはず。それでも実感がない、興味がない場合は、仕事が楽しくなくてやめたいと感じてしまいます。
他にやりたい事がある、やめたい
一旦はSIerに入社をしたけど、もともと他にやりたいことがあった・やりたいことができてしまったという人も多いです。仕事をしていても魂が入らずに、自分のやりたいほかの事を求めてしまう。そんな状況が続くと本業も上手くいかず、一層やめてしまいたいと思ってしまいます。
SIerをやめたいと悩んだら、シンプルに辞めていいと思う【戦略は必須】
SIerで働くのが嫌になったら、無理せず転職していいと思います。心が疲れていると嫌になるばかりか、悪いことが重なるものです。そうなってしまったら、止血することを第一に考えましょう。
何かが自分に合ってなかっただけ
仕事が合わないのはよくある話ですから、思いつめたり、それほどネガティブになる必要はないです。まずはやめたい原因を考えます。
[嫌なこと]
- スケジュールがタイトで時間に追われる
- いつも工数がない、余裕がない
- 関係者との調整が大変
- 自己肯定感が低い
- 面白くない
- 厳しい
嫌なことはリストの上位のように、具体的な形に洗い出すと良いです。ここから、なぜ辞めたいのかの理由を整理して考えます。また、やめたい理由は1つではないはず。
SIerで身につけたスキルは必ずある
SIerに勤めて、身についたスキルも結構あると思います。自分の持っているスキルを書き出してみると良いです。出来ることに注目することで、気持ちがポジティブになりますし、スキルを次の仕事に活かすこともできます。
[スキルの例]
- ポイントを抑えた議事録を書くことができる
- 会議の議事・進行を取り仕切ることができる
- ソースコードをレビューすることができる
- システムリリースの準備が一人でできる
- 設計書を作成することができる
- リーダーとしてチームを率いることができる
今よりも自分に合った仕事は必ずあるので調べる
転職サイトなどで情報収集を始めてみると、やってみたいなとワクワクする仕事はいくらでも見つかります。例を挙げてみます。
- 広告分野のデータサイエンティスト
- バイオマス発電の立上げ担当
- 地域で活躍するプログラミング講師
- 新しいWEBサービスの企画担当
- Fintechベンチャーの広報兼営業
- デジタルマーケター
- 貿易業務の担当
ITに限る必要もなく、興味のある仕事があれば話を聞いてみるべきです。
どの業界でも今はITの素養のある人材を求めていますから、多くの場合はSIerでがんばってきた経験が評価してもらえるはず。もちろん同じIT業界の中で、WEB系やAI関連のテック企業を選んでも良い選択肢になります。
徐々にポジティブなメンタルに切り替える
どこの業界も人材不足ですから、この先の職業には多くの選択肢があります。調べれば調べるほど、会社の狭い組織の中で仕事が合わないと悩んでたのがバカバカしくなってきますので。。。それでOKです!
様々な可能性に胸を膨らませて、ポジティブな気持ちになりましょう!前向きになれば、雲は晴れます。そして自然と、もう苦しまなくて大丈夫という状態まで心が整っていきます。
ポジティブな転職は人生を変える【転換点】
次に、転職活動を始めていきましょう。おすすめは、まず最初に頼れる相談相手を作ることです。
IT業界出身で、自分が志望する企業や同業他社に最近転職した人が近くにいれば、相談に乗ってもらいましょう。
そういった方がいない場合でも、プロの転職エージェントが無料でキャリア相談に乗ってくれますので、気軽に活用すると良いです。
自分から動かないと、何も変わりませんので。この機会にぜひ、どうぞ。
- マイナビIT ※取り扱い求人数が多く、担当エージェントの質が高い
- AXIS ※ビジネスサイドのキャリアアップに強みのあるエージェント
- レバテックキャリア ※クラウドを始めとするWEB系企業への転職に強みのあるエージェント
本格的に就職活動を始める前に登録をしておけば、圧倒的に情報が集まってきやすいので効率的でもあります。自分に合う担当者を見つけて、その方をメインにもう1社サブのエージェントをつけて活動すると良いと思います。私が転職活動したときも、4社のエージェントに話を聞いてもらって、2社に絞りました。
ネガティブな発想をポジティブに置き換えていく
例えば、転職動機について考えます。
SIerで炎上プロジェクトに当たってしまい、「残業が多すぎてやめたいな」と思ったのが動機ならば、「より集中して効率的に働きたいと考えました。そのため、時間意識の高い職場への転職を希望しています」という感じでネガティブからポジティブに言葉や考え方を変換すると良いです。
テクニックっぽいと思うかもしれませんけど、これは本質です。
大丈夫:採用担当者も強力に応援してくれる
採用担当者は、前職でやられちゃってドヨーンとした人ではなく、前向きに働いてくれそうな人を採用したいもの。面接までにポジティブな表情も取り戻しておきましょう。SIerで働いていた人は転職市場での評価が高く、採用担当者も強力に応援してくれるはずです。
準備に時間をとってOKです
企業面接で転職先が決まりますから、面接は自分がポジティブになれるまでコンディションを整えて望むようにしましょう。
1つのコツとして、思い悩んでポジティブになれないのなら、転職準備のためしばらくお休みをもらうのも策です。どうせ転職するなら、効果的に年休を使ってしまいましょう。引き止められるので、オフィシャルに転職準備とは言えませんが・・・
転職後にまた「やめたい」とならないために【先手を打つ】
転職したら、新しい生活が始まります。せっかくなので、ワクワクしましょう。
次はやめたいと思う前に軌道修正する
企業によって文化が違うので、転職直後に「あれっ」と思うこともあるでしょうけど、即座にまた転職したいと思うことはないはずです。
転職後にまたやめたいと悩まぬように、こまめに軌道修正していくと良いです。
上司も人事も転職直後は手厚く見守ってくれるので、思ったことを気軽に相談してみて、上手く馴染んでいきましょう。
楽しめない仕事はやらなくてもいい
転職すれば、新しいキャリアは白紙で考えることができます。ですから、楽しめない仕事は無理にやらなくてもいいんです。
組織の中で徐々に自分の立ち位置が決まっていきますから、しっかりとYes/Noを言って、今度は居心地の良い立ち位置をとって良いです。
自信を失わない場所で、頑張りすぎてメンタルを傷めないように働いてOKなんです。
心の余裕が生まれると、自然と仕事も上手く回るようになっていきますので。
そうやって、仕事はシンプルにこなせるように工夫できます。ですから、挫折も不安も不要なんです。
今回は以上です。参考になりましたら幸いです。