ユーザ系SIer企業ランキング2021|就職・転職に役立つ情報
ユーザ系SIerについて調べる人
「そろそろ他の会社に転職したいな。ユーザ系SIerは社内SEが多くて他のSIerよりも働きやすそうだな。具体的な企業や、転職条件も気になるな。」
こんな疑問に答えます。
この記事を書いているのは、ユーザ系SIerで14年のエンジニア。ユーザー系SIerは給料が良くて、私の場合ですと管理職で年収は1,000万円ほどです。
自分の経験が就職・転職で悩むだれかの役に立てばと思って、この記事を書きます。
» 参考:大手SIer転職ランキング【おすすめ企業・年収・社員評価】
本記事の内容
ユーザ系SIerとは
「ユーザ系」とは、どういう意味でしょうか。ユーザ系SIerは他にも「システム子会社」、「子会社」など様々な呼ばれ方をしますが、どれも同じ意味です。
ユーザ系SIerとはどういう企業のことか、歴史を紐解いて解説します。
ユーザ系SIerの成り立ち
1960年代以降、SIerが誕生した当時は、企業が社内で使うシステムを作ることがSIerの仕事でした。
当時のコンピュータは非常に高価で、今のように個人がスマホで簡単にアクセスできる時代ではなかったため、ユーザといえば一般企業のことを指しました。
主に1960年代から1980年代にかけて社内で使うシステムを作っていた一般企業(ユーザ企業)のシステム部門が分離して子会社化した企業が「ユーザ系」です。つまりユーザ系SIerには必ず親会社が存在します。
[ユーザ系SIerの誕生(例)]
- 日鉄ソリューションズ
1986年、親会社(新日本製鐵)のシステム部門(エレクトロニクス・情報通信事業部)から分離して子会社化 - 日本総合研究所
1969年、親会社(三井住友銀行)のシステム部門から分離して子会社化
ユーザ系SIerの特徴
親会社との関係性が重要
親会社との関係は会社によって異なり、内部の人間でないとわかりにくいです。親会社にも社内エンジニアがいることも多く、親会社を志望した方が自分のやりたいことができるのか見極めが必要です。
またユーザ系といっても、野村総研や電通国際情報サービスのように独自に上場し、親会社の依存から脱却している企業もあります。どちらが良いかは会社選びの際の観点によりますが、野村総研や電通国際情報サービスのように、自立したうえで高収益を上げている企業は日本でも有数の優良企業と言えますし、社員による評価も非常に高いのが特徴です。
大手SIerでも上場せず情報が限定的
上場企業には情報開示義務があり、年収など就職・転職にも使える情報が公開されるのですが、ユーザ系SIerの多くは親会社が上場していても、自社は非上場のため情報が取りにくいのではないかと思います。
ユーザ系SIerはシステム開発の上流工程の仕事をするのに最適
ユーザ系SIerの基本的な仕事は、親会社のシステム開発ですから、システム要件を決めて他のSIerに開発を委託するといった、システム開発の最上流工程の業務を行います。
システム開発の下流よりも、上流の業務をこなすスキルを身に着けたい人にオススメです。
下請けの仕事がないのも魅力
異論もあるかもしれませんが、システム開発の仕事は上流に行くほど面白い仕事であり、優先度の高くない仕事は他社に委託する傾向にあります。
最上流工程の仕事ができる点は、ユーザ系SIerの大きな魅力だと思います。
ユーザ系SIer 企業ランキング2021
以上述べてきたのように、情報が取りにくいユーザ系SIer企業ですが、本記事ではランキング形式で一覧化し、紹介したいと思います。
気になる上位SIerから優先して企業研究すれば、効率的に就職・転職活動を進められます。
4つの視点で企業をランキング化します
本記事では以下の4つの視点でユーザ系SIerの企業を評価し、ランキング形式で企業を分析していきたいと思います。
[本記事の4つのランキング]
- 1. 企業の安定性
- 2. 社員の平均年収
- 3. 社員による自社評価
- 4. 社員の残業時間
企業の安定性
会社の売上から、企業の安定性をランキング形式で紹介します。
社員の平均年収
就職・転職を検討する際、会社の平均年収は最も気になる情報です。
上場企業が公開している情報から、社員の平均年収を見ていきます。
日本企業は年功序列のため、会社の平均年齢が上がれば社員の平均年収も上がります。参考のため、社員の平均年齢も合わせて掲載します。
社員による自社評価
OpenWorkに投稿された社員による自社の評価を見ていきます。
実際に働いている人の統計的な評価というのは、かなり有効な指標だと思いますので、ぜひ参考にして見てください。
社員の残業時間
OpenWorkに投稿された社員による残業時間の申告を集計しました。
残業時間からは、転職後の働き方が見えてきます。ぜひ、参考にしてください。
【上場企業限定】ユーザ系SIer売上ランキング
まずは売上げランキングです。
気になる企業が見つかったら、自分で企業のキャリア採用に応募するより、転職サポートサービスを使う方がベターです。
相談はもちろんのこと、実際に転職しても費用は0円です。相談して損はないので、これを機に、ぜひどうぞ。
» マイナビITの無料転職サポート
- エヌ・ティ・ティ・データ21636.2億円 (123884 人)
- 野村総合研究所5012.43億円 (12578 人)
- 伊藤忠テクノソリューションズ4519.57億円 (8359 人)
- SCSK3586.54億円 (12365 人)
- 日鉄ソリューションズ2652.78億円 (6434 人)
- トッパン・フォームズ2258.1億円 (10586 人)
- 電通国際情報サービス910.24億円 (2783 人)
- SBテクノロジー504.3億円 (1012 人)
【上場企業限定】ユーザ系SIer年収ランキング
- 野村総合研究所1221.7 万円 (40.0 歳)
- 電通国際情報サービス896.0 万円 (41.0 歳)
- 伊藤忠テクノソリューションズ871.1 万円 (41.0 歳)
- 日鉄ソリューションズ835.9 万円 (40.0 歳)
- エヌ・ティ・ティ・データ828.0 万円 (39.0 歳)
- SCSK725.7 万円 (43.0 歳)
- トッパン・フォームズ672.9 万円 (44.0 歳)
- SBテクノロジー659.7 万円 (37.0 歳)
ユーザ系SIer社員による自社評価
- 電通国際情報サービス4.16
- 野村総合研究所4.14
- 新日鉄住金ソリューションズ3.85
- NTTデータ3.79
- 三菱UFJインフォメーションテクノロジー3.49
- 日本総合研究所3.48
- 東京海上日動システムズ3.47
- 伊藤忠テクノソリューションズ3.47
- SCSK3.29
- JALインフォテック(JAL)3.28
- NTTコムウエア3.28
- ソフトバンク・テクノロジー3.25
- ニッセイ情報テクノロジー3.19
- オージス総研3.19
- 商船三井システムズ(商船三井)3.18
- 三井情報3.10
- ANAシステムズ(ANA)3.06
- 第一生命情報システム2.93
- トッパン・フォームズ2.88
ユーザ系SIer 企業の平均残業時間
- ANAシステムズ15.8時間
- エヌ・ティ・ティ・コムウェア21.0時間
- オージス総研22.8時間
- SCSK22.9時間
- 商船三井システムズ23.7時間
- SBテクノロジー26.5時間
- JALインフォテック27.6時間
- 東京海上日動システムズ30.6時間
- エヌ・ティ・ティ・データ31.9時間
- 三井情報32.0時間
- 三菱UFJインフォメーションテクノロジー32.8時間
- 伊藤忠テクノソリューションズ33.2時間
- 第一生命情報システム35.8時間
- 電通国際情報サービス37.0時間
- 日鉄ソリューションズ38.3時間
- 日本総合研究所40.2時間
- ニッセイ情報テクノロジー40.9時間
- トッパン・フォームズ43.8時間
- 野村総合研究所47.9時間
【全企業】ユーザ系SIer 個別企業に対する評価
野村総合研究所(NRI)
野村総合研究所は、国内の全ての業界を見渡しても最高水準の平均年収です。
他のユーザ系企業とは一線を画した存在で、その大きな理由は親会社に依存していないことが挙げられます。
内販と呼ばれるグループ(野村ホールディングス)内の仕事の割合が少なく、グループ外の仕事(外販)を取ってきて、売上をあげています。
有名なところでは、NRIはセブンアンドアイホールディングス(セブンイレブン/イトーヨーカ堂)のシステムを担っています。
どんどんと外販を増やし、過去最高益の業績を出し続けている業界のトップ企業です。
三菱UFJインフォメーションテクノロジー
三菱UFJ銀行を中心に三菱UFJフィナンシャルグループのシステム構築の実動を担うユーザ系子会社です。
メガバンクが抱える巨大なシステムの設計・構築に携わることができます。
日本を代表する金融機関のグループ会社のためコンプライアンス意識が高く、過剰な残業時間やサービス残業となる心配はないでしょう。
また三菱UFJ銀行には社内SEが900人ほどおり、その規模は三菱UFJインフォメーションテクノロジーの半分ほどの人数にも及びます。
システム企画などの上流工程(システム開発に加え、合意形成など調整の能力が求められます)や、人工知能、データベースやセキュリティなど特定分野でエキスパートを目指すなら、本社三菱UFJ銀行の社内SEを志望した方がよいでしょう。
一方、ある程度話がまとまったシステムに対して設計・構築したり、保守をしたい人にはおすすめです。
【ポイント】ユーザ系SIerの働きやすさ・働きにくさを左右する親会社との関係
ユーザ系SIerで働く場合、重要なのは自社と親会社との関係です。
組織の話でいうと、多くのユーザ系SIerの社長は親会社から派遣されてきます。ですから自社の社長を目指してがんばりたい人には不向きです。
次に経営でいうと、親会社から仕事をもらえますから経営基盤は安定します。グループ内の仕事をする分には原則、営業職が不要なためシステム開発に専念できます。
就職・転職して働く立場でいうと、親会社の社員の人たちといかにうまく付き合えるかがポイントです。
今では多くの場合、親会社にもエンジニアがおり話が通じると思いますが、親会社にまともなシステム部門がなかったり、優秀な社員がいない場合は要注意です。
手続きが遅い、作るシステムの要件が決まらない、親会社から丸投げされるといった弊害を生みます。
比較的規模の大きな会社のユーザ系SIer、上場してひとり立ちしているユーザ系SIer、社員の評価の高いSIerではこのようなことはほとんどないと思いますが、就職・転職を決める前にしっかりと確認しておきたいポイントです。
ユーザ系SIerランキングまとめ
「業界売上トップ企業はエヌ・ティ・ティ・データ、平均年収のトップは野村総合研究所で1221.7万円、社員の評判が最も高いのは電通国際情報サービスだね。就活の参考にしよう!」
- ユーザ系とは、親会社からシステム部門が分社したSIerのことです
- グループが大きいことが多く、人間関係はやや複雑で関係性が重要です
- 非上場企業が多く、積極的に情報を取りに行かないと内実がわかりにくい
- 無料のエージェントを活用して情報収集しましょう。TechClipsとレバテックキャリアはエージェントの質が高く頼りになりますので、無料登録すべきですよ
今回は以上です。参考になりましたら幸いです。
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