無人コンビニは日本にある?【国内外の事例・将来性・技術を解説】
無人コンビニに興味のある人
「アマゾンがアメリカ・シアトルに無人コンビニを展開したそうですが、無人コンビニの将来性ってどうなんでしょう。人手不足はわかりますけど、不便じゃないんですか?日本にも無人コンビニってあるんでしょうか?」
こんな疑問に答えます。実は国内外問わず、様々な無人コンビニが存在しているんです。でもまだ身近ではないですよね。
有人コンビニよりも良いサービスを提供できるかがカギ
無人コンビニは世界に複数ありますが、有人コンビニよりも高いレベルのサービスを提供しているのはAmazon GOだけでしょう。
有人コンビニよりもAmazon GOのサービスが優れている理由を挙げます。
- 理由1:レジを通らなくても出口で自動決済されるから、
並ばないし会計不要だから早い。
→不要な手続きの排除 - 理由2:すごくおしゃれ。
人件費が浮いた分お金をかけられる。
→付加価値の提供 - 理由3:商品が良質。
人件費が浮いた分お金をかけられる。
→付加価値の提供
本記事の内容
- 無人コンビニとは?
- 海外の無人コンビニ
- 日本国内の無人コンビニ
- 無人業務の将来性は高い。
どの企業も一刻も早く取り組んでデータを蓄積すべき
この記事を書いている私は社会人歴12年、シンクタンクに勤務するエンジニアです。私はAmazon GOのような無人コンビニに大きな将来性を感じています。
コンビニで働いている人には申し訳ないのですが、コンビニの店員って顧客にとっては必要な存在ではないと思います。顧客はお会計のために「仕方なく」レジに並び、お金を払いますが、この手続きが省略できるのなら省略したいです。これを実現したのがAmazon GOだと思います。
一方、日本国内はどうでしょう。事業者側の事情を見ると、人材不足によって確実に無人コンビニが普及する土壌は整いつつあります。夜間帯を中心に営業を停止するコンビニも増えています。今後、夜間は無人化するコンビニも出てくるのではないかと考えています。
また消費増税に関連し、政府は減税策を兼ねてキャッシュレス化を進める方針を明確にしました。今後キャッシュレスが進んでいくことも、無人コンビニの増加を後押しします。
Amazon GOのような店舗は今後日本でも普及するのでしょうか?みていきたいと思います。
無人コンビニとは?
そもそも無人コンビニとはどのようなものでしょうか。読んで字の如く、無人化したコンビニのことですね。
無人コンビニの概念は昔からあるけど成功しなかった
自動販売機を並べただけの無人コンビニの概念は昔からありました。しかし自販機ですから、商品を一点一点会計しなくてはなりません。
さらに無機質で買い物の楽しさが無いため、有人コンビニに勝る魅力がありません。だから普及しなかったのだと思います。
しかし最近の無人コンビニは、最新のテクノロジーによって新たにデザインされ、有人コンビニよりも高いサービスを実現したことで話題となっています。
レジが不要、防犯対策も万全のおしゃれな無人コンビニは未来の店舗
AIを使えば、自動販売機のような原始的な仕組みは不要。商品を持ち出すだけで決済が完了します。
Amazon GOはこれを実現していますが、無人コンビニといっても各社でサービスレベルや利用しているテクノロジー、購入手続きは様々。その仕組みを一覧にまとめました。
企業 | 設立国 | レジの有無 | キャッシュレス | 防犯 |
Amazon GO | アメリカ | ○ (レジなし、 ゲート通過のみ) |
○ (アマゾンアカウントで 決済) |
アマゾンアカウント (入店時必須)、 カメラ |
BINGO BOX | 中国 | × (レジあり) |
○ (WeChatで決済) |
WeChatカウント (入店時必須)、 カメラ |
スーパーワンダーレジ | 日本 | × (レジあり) |
○ (Suicaで決済) |
Suica (入店時必須)、 カメラ |
ロボットマート | 日本 | × (レジあり) |
○ (PayPayで決済) |
カメラ |
無人コンビニ600 | 日本 | × (レジあり) |
○ (クレジットカードで 決済) |
クレジットカード、 カメラ |
海外の無人コンビニ
先行している海外での事例を挙げて解説します。
Amazon GO
アメリカ・シアトルに1号店ができたAmazon GOは自販機とは全く異なります。外観も内観も商品もとてもおしゃれで、こだわっていますね。
買い物のプロセスは普通のスーパーやコンビニと同じです。
会計する代わりにゲートを通過するだけで会計が完了する仕組みです。あとはAmazonのアカウントに請求が来ます。Amazon Goを実現する技術は、アマゾンによると「自動運転車のものと同じ」だそうです。
BINGO BOX
商品には、機会で読み取るための白いチップが貼り付けられており、台の上に商品を載せるとチップ(RFID)から金額を読み取って、スマホで会計する仕組みです。
なお、店舗への入るにはWeChatが必要で、防犯だけでなく会計にもWeChatが用いられています。 中国で数百店舗展開しており、無人店がちょっとしたブームになっているようです。マレーシアの首都クアラルンプールにも一号店が開業しました。
日本の無人コンビニ
スーパーワンダーレジ
赤羽駅ホームに1号店ができたスーパーワンダーレジ。商品をレジに置くと、AIがカメラ画像を解析して料金を算出する仕組みです。商品をカバンに入れて盗んだ場合も、AIが画像から検知できるそうです。
ロボットマート
日本橋兜町にプレオープンしたロボットマート。我が家からは徒歩圏内です。
現在はプレオープンのため、平日13:00~19:00のみの営業です。決済はQRコードとPayPayを用います。
無人コンビニ600
無人コンビニ600は、社内での利用に特化した無人コンビニです。クレジットカードで決済し、買いたい商品を棚から取り出します。 この記事で紹介した中で最もローテクで、お手軽な無人コンビニです。
無人業務の将来性は高い、どの企業も一刻も早く取り組んでデータを蓄積すべき
イノベーションのポイントはやはりAI
Eコマースで日本企業がアマゾンに負け続けるのは何故でしょうか?その大きな理由は、アマゾンの持つ膨大なデータによって、AIがお客様に対して高い精度の商品提案を行なっているからです。
商品をおすすめするのも、自動運転も、レジなしで商品決済するのも基本的には同じ技術で、AIによって実現できます。そのAIの性能に大きく影響するのが、AIの学習に必要なデータ量です。ですから、実店舗での無人商品決済に関わるデータをいかに蓄積できるかがポイントです。
Eコマースの例のように、アマゾンが日本企業よりも高品質なサービスを展開すると、後から逆転することはほぼ不可能です。日本企業はAmazon GOが日本に進出してくる前に無人コンビニをできる範囲で始めて、データの蓄積をしっかりと行うべきです。
イノベーション大国であるアメリカの快進撃が実店舗にも及んできていますね。このままだとスマホも車も店舗もみんなアメリカ企業のサービスに置き換えられ、日本企業はかなり苦しい状況になってくるのではないかと思います。
G20でもAIの活用が話題に
無人コンビニはAI社会に向けた前哨戦【自動運転/医療改革/業務効率化】
2018年11月30日に行われたG20非公式会合では、安倍首相がAIやビッグデータの活用に向けて 「日本がルール作りを主導する」と訴えたそうです。 AIは大注目の技術ですが、無人コンビニは自動運転などで今後AIが実社会に影響を与える際の前哨戦になるでしょう。
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