大企業は安泰じゃない|その真偽を大企業15年目の管理職が解説

社会

WEB系はやめとけと言われてそう思っている人

社会人になるのが心配な人
「大企業も安泰じゃない時代だな〜、安心できないよ。
定年まで会社に居られないなら、就職しても不安だなぁ。
もうなんか、社会人になること自体が不安。。
もうフリーランスの方が気が楽かな」

こういった疑問に答えます。

この記事を書いている私は14年間シンクタンクで管理職として働いていまして、数字で真偽を確かめるのは得意です。また私自信が大企業の社員なので、当事者としての肌感覚でも真偽がわかりますから、一層正確性は高いと思います。

就職などで悩んでいる方のお役に立てばと思い、この記事を書きます。

本記事の内容

  • 不安①:大企業も潰れる時代だから安泰じゃない?
    →結論:間違いです
  • 不安②:大企業の社員でもリストラされる時代だから安泰じゃない?
    →結論:間違いです
  • 大企業より中小企業、スタートアップ、フリーランスを目指すべきか?
    →結論:人によるので詳しく解説します

不安①:大企業も潰れる時代だから安泰じゃない?【間違い】

大企業も潰れる時代だから安泰じゃない?

ぜんぜん潰れてないですよ

グラフの通り、大企業の倒産件数は減っています。2020年はコロナ禍でアパレル大手のレナウンが倒産してニュースとなりましたが、合計は2件。

大企業も潰れる時代だから安泰じゃない?

出典:東京商工リサーチ 

 

大企業が潰れる時代というのは「ポジショントーク」です

以下の通りです。

  • メディア→みんなに興味を持ってもらいたいな。コロナ禍で大変だし、ヤバい点を強調しよう
  • 経団連→時代が変わってるからビジネスも変わらないとな。意識を高めるために警鐘を鳴らそう
  • フリーランス→仲間が増えると嬉しいな。時代の雰囲気を変えていこう!紹介で広告料もGETウマウマ

大企業が◎:ビジネスに必要なのはカネとヒトだから、大企業が圧倒的に安泰です

大企業はカネを溜め込んでいて、社員も多いです。さらに出世争いがあり、稀有に優秀な人が役員になって経営しています。

ビジネスが傾いても別のビジネスに転換するだけの経営資源が十分にあるうえ、政界への働きかけもできる。ですから、最も倒産しにくいのが大企業です。

ただ大企業の経営サイドのホンネは、「時代が変わってるから、合わなくなった人をリストラして、新しい人材に入れ替えたいな」です。また経営が上手くいかない時は、リストラして会社を守ることがあるので、リストラについて考えていきます。

不安②:大企業の社員でもリストラされる時代だから安泰じゃない【間違い】

大企業の社員でもリストラされる時代だから安泰じゃない

大企業のリストラは、早期退職です。外資系のように、「明日からクビ」みたいなのは日本では無いので安泰と言っていいのではないでしょうか。

一方で商工リサーチの調査結果を見ると、上場企業で早期退職している人の数は確かに増えています。以下の通りです。

大企業の社員でもリストラされる時代だから安泰じゃない

出典:東京商工リサーチ 

 
次に、社員のタイプ別に早期退職が実施された場合の影響をみていきます。

[社員別の分析]

  • 仕事ができて、市場価値も高い人
    →早期退職でお金がもらえて次の職場でも活躍できる、実はキラキラな人
  • 仕事はあまりできないけど、市場価値が高い人
    →早期退職でお金がもらえて次の職場で輝くチャンスが作れる、キラキラ候補
  • 仕事ができなくて市場価値も低い人
    早期退職に応募しないので、大企業に残ってる
  • 病気や事故で体調を崩しちゃってる人
    早期退職に応募しないので、大企業に残ってる

というわけで、早期退職制度は割とみんなにとって幸せな制度でして、早期退職が増えたから「大企業は安泰じゃない」というのは言い過ぎだと思います。

つまり「大企業は安泰じゃない」というのも「ポジショントーク」だと思います。

早期退職金は数千万になる企業も・・・

6,000万とか羨ましすぎる・・・

「あの朝日まで、リストラに走るなんて」。今年に入って50代記者を中心に早期退職者の募集を始めた、毎日新聞の30代記者はこう驚きの声をあげた。
退職後も、60歳までは年齢に応じて年収の4割程度の月額を基準に支給し、60歳以降は定年まで毎月10万円を支給するという。退職金の支給期間は最長10年で、支給上限は6000万円だ。
「6000万円満額もらえるのは、幹部クラスなど社内でも少数」(朝日新聞社員)という。ただ、額面1200万円の同社の平均給与からすれば、45歳以上であれば単純計算でも年におよそ500万円の退職金の先取りができるため、月に30万円程度の手取り収入を10年間確保できる計算になる。この社員が言う。

出典:現代ビジネス 

 

リストラではなく子会社への転籍になる場合も

仕事のやる気のない人や仕事ができない状態の人でも、大企業だと基本的にクビになることはありません。

ただ仕事を頑張る人と同じというわけにもいかないので、査定で給料が下がったり、子会社に転籍ということはあります。

仕事が全くできないレベルの人が大企業社員なら上記の通りですが、もしフリーランスだったら、仕事を受けられずに生活保護になってしまいます。。
やはり、大企業の方がずっと安泰だと言えます。

大企業より中小企業、スタートアップ、フリーランスを目指すべきか?

大企業より中小企業、スタートアップ、フリーランスを目指すべきか?

「安泰」を最優先にするなら大企業一択ですが、仕事で何を最も重視するかは人によるので、一概には言えませんm(_ _)m

私のオススメ:大企業を母艦に、固くチャレンジするのが安泰かつ楽しめますよ

私ならまず3年くらい大企業でビジネスの基本を短期集中して勉強するのがコスパ良いかなと思います。目標を2年にしてもいいです。

ビジネス的なセンスのいい人なら、3年働けばビジネスマンとしての基礎が1つ固まって、次はスタートアップやフリーランスで勝負できそうだな!と実感が得られるはず。

自信がついていなければ、無理せず大企業で引き続き成長していって、どうにも芽が出ないと思ったら、そのまま定年まで居てOKだと思います。

大企業に居続けながら次のチャンスを伺うという作戦が、リスク無くキャリアアップできてよいと思います。

まとめ:情報を正しく理解し、自分のキャリアは自分で決めることが大切です

今回の記事では、以下の「大企業は安泰じゃない」という不安について、間違っていることを解説しました。

[間違い]

  • 大企業も潰れる時代だから安泰じゃない
  • 大企業の社員でもリストラされる時代だから安泰じゃない

やるべきことは2つです

第一に、世の中は声の大きい人の意見が拡散しやすく、正しい情報は手に入れにくいもの。ですから情報の正しさは、自分で判断しなくてはならないです。

第二に、自分のキャリアは自分で決めるべきだと思います。情報が集まったら、仮説でもいいのでまず決めてやってみる。

あとは毎日、頭を使って突き進むだけです。努力の方向性を間違えるのはNGだけど、キャリアの軌道修正はOKです。

これだけで、不安な時間を過ごすこと無く、仕事に集中できるはず。
ネガティブな発想を捨てて、良い循環を作っていきましょう。

今回は以上です。最後までお読みいただきましてありがとうございました。