20年後の日本の大問題とその対処法【著者23名の提言】
20年後の日本について考える人
「人工知能の進化や高齢化の進行で20年後の日本は一体どうなってしまうのでしょうか。とても不安ですが、今からどんな風に備えることができるのでしょうか?」
こんな悩みを解決します。
20年後の日本の大問題と今からすべき事
本記事では、日本の将来について、23名の著者の金言をまとめました。なお、本記事で紹介する書籍とその要約はフライヤーさんの記事になります。
(引用元:https://www.flierinc.com/)
それでは早速いってみましょう。
2050 近未来シミュレーション日本復活
2050 近未来シミュレーション日本復活
著者:
小野智子(訳)
村上博美(訳)
クライド・プレストウィッツ
- 日本は国家存亡を脅かす危機に直面しているが、過去150年の間に2度の危機を乗り越え、再生を果たしてきた。抜本的な再生計画によって日本は復活できる。
- パックス・アメリカーナの終焉に伴い、日本は防衛力を高め、アメリカ一辺倒ではなく、より幅広く緊密な同盟関係を築く必要がある。そうすれば、アジア太平洋地域の安全保障を日本がリードできる可能性がある。
- 終身雇用などを特徴とする日本的経営から、生産性の向上を追求する「新・日本的経営モデル」を模索すべきである。
為末大の未来対談
為末大の未来対談
著者:
為末大
- 今後、超高齢化社会に突入する中で、「できないこと」を社会全体が受け入れることが大切である。
- 人型のロボットだからこそ、人はその行動に意味づけをしたり、感情移入したりする。そして、より自然なやりとりを通してデータを収集することができるのだ。
- 異才発掘プロジェクト「ROCKET(ロケット)」では、子供たちの異質な才能を育てるために、非日常的な体験や、目標を達成したあとの「どんでん返し」を重要視している。
- 車の自動運転化にともない、私たちのライフスタイルは今後大きく変化する。この変化は20年以内に起こる。
日本再興戦略
日本再興戦略
著者:
落合陽一
- 日本の再興を考えるうえで、「欧米」を見習おうとすることは大きな間違いだ。日本はいま一度、自国の歴史を振り返りながら、どう変わっていくべきなのか整理する必要がある。
- これから求められる産業に対応するためには、戦後につくられた日本人の精神構造を変形させ、システムやテクノロジーの更新を行なわなければならない。
- テクノロジーがますます進化していくなか、画一化や標準化は時代遅れだ。これからは多様性をもって生きていくことが望ましい。
伊藤元重が警告する日本の未来
伊藤元重が警告する日本の未来
著者:
伊藤元重
- 経済の長期停滞の原因は需要の落ち込みではなく、技術革新が減り、生産性が向上しないことである。今後はAIやIoTなどの技術革新が、電力革命以上のインパクトを世界経済に与える可能性が高い。
- 通商政策は、アメリカを中心に多国間協議を重視する「マルチ」から、二国間協議を重視する「バイ」へと変化している。また、移民の流入などによって、先進諸国で「保護主義化」と国内の分断が進んでいる。
- デフレ脱却の解決策として、働き方改革による労働生産性の向上が急務である。
未来の年表2
未来の年表2
著者:
河合雅司
- ますます高齢者が増える中で起こることのひとつに、電車のダイヤ乱れと、窓口や売り場の人員不足がある。テキパキ動けない高齢の利用者が増えると、今のような過密ダイヤには無理が出てくるはずだ。また、商品を受けても1回では理解できなかったり、支払いに手間取ったりする高齢者が増えれば、窓口や売り場での対応のためにより多くのスタッフを用意しなければならなくなるだろう。
- 勤労世代が急速に減っていく中で、人手不足が課題となる。社会を機能させるためには、1人で2つ以上の仕事をすることが有効だ。
人口蒸発「5000万人国家」日本の衝撃
人口蒸発「5000万人国家」日本の衝撃
著者:
一般財団法人日本再建イニシアティブ
- 地方だけでなく首都圏でも高齢化・人口減少は始まっており、将来的にインフラや商業施設などが今までどおり供給できない可能性が高まっている。財政改革と、技術革新などによる労働生産性の向上が急務である。
- 人口政策は急務であり、財政の見直しによる子育て世代の支援、外国人労働者の受け入れ、「コンパクトシティ」の実現、魅力ある地方ビジネスなど、あらゆる観点から人口減少を食い止めつつ、減少に適応していけるような国づくりをしていく必要がある。
進化は万能である
進化は万能である
著者:
大田直子(訳)
柴田裕之(訳)
吉田三知世(訳)
鍛原多惠子(訳)
マット・リドレー
- これまで進化論は生物学においてのみ語られてきたが、実はあらゆる人の営みにも適用することができるものである。
- 歴史は偉人によって動かされてきたと考えられがちだが、それは誤った見方だ。状況が整っていれば、遅かれ早かれ進化は起きるものである。
- インターネットは特定の個人によって開発されたものではなく、オープンソースを介して多くの人の協力のもとに開発された。そのような性質をもっているからこそ、インターネットは、あらゆる領域における進化を加速させている。
シャルマの未来予測
シャルマの未来予測
著者:
川島睦保(訳)
ルチル・シャルマ
- 遠い未来の完全予測はありえない。有効なのは、今後5~10年後の見通しを立てることだ。
- 国家の盛衰を見抜く10の評価基準とは、人口構成、政治、格差、政府介入、地政学、産業政策、インフレ、通貨、過剰債務、メディアである。
- 著者の予測では、将来展望ランクの格付けが優秀な国として米国・アルゼンチン・メキシコ・フィリピン・ドイツが、平均に位置付けられる国として台湾・韓国・日本・英国が、劣等な国としてタイ・中国・ロシア・オーストラリアなどが挙げられている。
未来化する社会
未来化する社会
著者:
依田光江(訳)
アレック・ロス
- 先進国では深刻な高齢化が進んでいる。そこで出番となるのが、日本が牽引しているロボット開発だ。既に高齢者をターゲットとしたロボットが続々と生み出されている。
- アフリカでは携帯電話が急速に普及している。アフリカの経済を成長させるには、通信技術やイノベーションよりもガバナンス向上がカギとなる。
- ビッグデータを活用して精密農業を展開することで、飢餓を減少させ、人々が簡単に融資を受けられる体制を築くことができる。
未来企業
未来企業
著者:
吉田晋治(訳)
リンダ・グラットン
- 「企業は強欲で邪悪な存在」という考えは誤っている。企業は本来人間の集まりであり、チームであり、コミュニティだ。正しい人材が正しく舵を取れば、世界的な問題に立ち向かうためのイノベーションを創出する役割を担うことができる。
- 内なるレジリエンスを高め、社内と社外の垣根を取り払い、グローバルな問題に立ち向かう企業こそが、「未来企業」として21世紀に発展できる。
- これからの優れたリーダーは、資源を適切に配分して人々に影響を与え、思いやりを持って社会貢献する行動を支援し、様々なステークホルダーに壮大な取り組みへの参加を促す存在であるべきだ。
信用の新世紀
信用の新世紀
著者:
斉藤賢爾
- ビットコインは「自分がもっているお金を自分の好きに使うことを、誰にも止めさせないためには?」という問いから生まれた。
- ビットコインの基盤技術のブロックチェーンは、中央ではなくエンドが完全なコントロールをもつことをめざす。
- デジタル通貨が登場し、貨幣が先鋭化するとデフレ傾向が強まる。人々は貨幣を用いない融通のソリューションを選択するようになる。すると個人の万能性、専門未分化を維持しながら、分け合うことが中心となる贈与経済が強化される。そして「狩猟採集社会」のような社会に近づいていく。
人工超知能が人類を超える
人工超知能が人類を超える
著者:
台場時生
- 技術的特異点の到来が近づく今、人類進化の大きな流れの中で特異点の意味を考え、特異点後のビジョンを描くことが求められている。
- 人類は農業革命、産業革命、情報革命という三大革命を通じて、物質、エネルギー、情報の3つを自在に操れるようになった。
- ロボット革命により、「仕事に就かなくても暮らしていける」社会になると著者は予測している。その後、生物革命が起きれば、遺伝子の意図的改変と、再生医療・ナノテク医療による不老不死が実現する可能性もある。
グーグル秘録
グーグル秘録
著者:
ケン・オーレッタ
- グーグルは、創業当初からユーザー視点を徹底しており、あらゆるグーグルの製品やプロジェクトがユーザーの利便性を高めるために考えられたものだ。正確な検索結果や、「アドワーズ」「アドセンス」という広告方式はその顕著な例である。
- グーグルは「邪悪になるな」を企業テーマとして掲げ、創業者をはじめ社員の誰もがグーグルに邪悪な意図があるとはまったく考えていない。しかし、中国政府との一件からも明らかなように、時にグーグルが「邪悪な意図」を疑われるような行動をとってきたのも事実である。
- グーグルは多くの業界に影響を与えたが、最も大きな打撃を受けたのは雑誌や新聞、テレビなどのメディア業界である。中でも新聞や雑誌の凋落は著しい。ウェブでニュースが即時配信されるようになったため、印刷された報道記事に対する広告需要が著しく下がっていることが原因である。
ホモ・デウス(上)
ホモ・デウス(上)
著者:
柴田裕之(訳)
ユヴァル・ノア・ハラリ
- 人類は飢饉、疾病、戦争という問題を解決しつつある。人類の新たな目標はホモ・サピエンスをホモ・デウス(神のヒト)へアップグレードすることであり、不死、幸福、そして神性の獲得が追求されていくだろう。
- 農業革命が有神論の宗教を生み出したのに対して、科学革命が生み出したのは人間至上主義という宗教だ。いまのところ科学と人間至上主義は両輪となって、現代社会を構築している。しかし今後、ポスト人間至上主義が生まれるかもしれない。
ホモ・デウス(下)
ホモ・デウス(下)
著者:
柴田裕之(訳)
ユヴァル・ノア・ハラリ
- 人間至上主義は「自由主義」「社会主義」「進化論的な人間至上主義」の3宗派に分かれて争い、最終的に自由主義が勝利した。
- 現代において自由主義が支配的なのは、科学やテクノロジーともっとも相性がよいからだ。
- 自由主義は科学の発展とともに隆盛してきたが、いまは科学が自由主義に疑問を投げかけている。
- 自由主義の崩壊後、新しく生まれる可能性のあるのが「テクノ人間至上主義」と「データ教」だ。前者はホモ・デウス(神のヒト)を、後者は「すべてのモノのインターネット」を志向する。