【人生逆転】弱者・強者の戦略全てをまとめました【勝つ土俵で戦う】

ランチェスター戦略

今回の記事は長いです。

今回はランチェスターの2つの法則をベースに、弱者と強者がそれぞれの戦略でぶつかります。その前に、まずはランチェスター戦略における「弱者」、「強者」という言葉を定義します。

弱者の戦略 VS 強者の戦略

ランチェスターにおける弱者と強者の定義

  • 強者とは、その競合局面において市場シェアが1位の企業のみ
  • 弱者とは、その競合局面において市場シェアが1位でない企業すべて

企業の規模ではないことに注意してください。また、市場の競合局面によって立場が変わってきます。例えば、従業員10人の零細企業でも特定の市場シェアが1位であれば、その局面においては強者になります。

社内の同期で見るなら同期トップで出世している人が強者で、それ以外はみんな弱者です。部内ですと、部長または担当役員だけが強者でそれ以外は弱者と言うように、見方によって変わってくるのがポイントです。

競合局面ごとに弱者と強者は判断するということは、地域別、販路業態別、商品別、個別にマーケットシェアを見ていかなければなりません。ビール業界で考えてみましょう。

  • サッポロは全国区では弱者だが、北海道では強者
  • アサヒは酒販店ルートでは弱者だが、スーパー・コンビニでは強者
  • キリンは発泡酒では強者だが、生ビールでは弱者

同様にモバイルフォン市場ではこんな感じです。

  • iPhoneはアメリカ・日本では強者だが、韓国・インドでは弱者
  • Androidは韓国・インドでは強者だが、アメリカ・日本では弱者

このように、弱者と強者は競合局面ごとに判断し、弱者は弱者の、強者は強者の戦い方を考えなくては勝てないのです。

つまり、重要なのは以下の2点です。

  • 競合局面ごとに立場を判断すること
  • 弱者と強者では、戦い方・勝ちパターン(=戦略)が異なること

弱者の基本戦略は「差別化」です

弱者はファーストペンギンにならないと生き残れません

弱者は「武器性能」を磨き上げ、兵力を集中しなければ、強者に勝てません。
勝つために私たちは、ビジネス上の武器をピカピカに磨き上げなければなりません。また、会社は第一線の営業パーソンに、敵と接近戦で遭遇しても互角以上に戦えるだけの
武器を持たせなくてはなりません。

「武器を磨く」・・・このことをビジネスでは「差別化」といいます。弱者は相手を上回る武器を持っていなければ(差別化していなければ)勝てません。ですから弱者は強者のマネをしていても勝てるはずがありません。

弱者は強者がやらないことを先んじて仕掛けていかないと勝ち目はないのです。差別化とは「先に仕掛ける」ことに他なりませんから、個人においては常にファーストペンギンになることを心がけましょう。

強者の基本戦略はミート(=模倣・追随)です

強者は弱者の差別化を封じ込める必要があります。それが「ミート戦略」です。強者は弱者が武器を磨いてきたら、同じ武器で戦うことです。
そうすれば武器性能が同じになりますので、兵力数の多い強者が必ず勝ちます。弱者が差別化してきたら、それを模倣・追随すればよいのです。
そうすれば差別化が差別化でなくなりますので強者が必ず勝つのです。この模倣し追随することを強者の基本戦略「ミート戦略」といいます。

強者は弱者の差別化に対して同じ武器をぶつけて無効化するのです。当たり前のことですが、模倣は合法の範囲でなければなりません。弱者が特許などで知的財産権を保護している場合、ミート戦略はその制約を受けるのです。

ミートといえばかつての松下電器(現Panasonic)が有名です。ライバルが差別化商品を投入してきたら、1クール以内に同等品をキャッチアップして市場投入。あっという間に市場を占拠してしまうやり方を得意の勝ちパターンにしていました。自らを「マネシタ電器」と言ってはばからない堂々たる強者の戦略でした。

また、ミート戦略の代表的なやり方は「フルライン戦略」です。商品ラインの隙間をなくし、何でも揃っている状態にします。何でも揃っているから一番メーカー、一番店から買うのが安心で間違いないと消費者に思わせるやり方です。何でも揃うトヨタ自動車が代表的なフルライン戦略です。高級車・大衆車・小型車・スポーツカー・RV(レジャービークル)・・・と商品ラインに隙間がありません。

弱者は強者の追随をしてはいけません

弱者は「差別化」を先に仕掛ける攻めの戦略、
強者の「ミート戦略」は、弱者が差別化を仕掛けてきたら、
それを模倣・追随して潰していく守りの戦略です。しかし実際には、多くの弱者は先に仕掛けようとしません。同業大手がやっていることを参考に、いけそうなら、いいとこどりしようと虎視眈々と狙っているのが現状ではないでしょうか。大手追随、小判鮫商法がよくあるパターンなのです。

確かに市場が成長している時期は大手追随でもやっていけるのです。でも成熟期に大手を追随しても「安売り」くらいしか選択肢がなく、ジリ貧です。また安売りは体力勝負なので弱者に勝てる見込みは薄いのです。ですから、単なる追随をするのではなく、知恵を絞って弱者の戦略をひねり出すべきです(具体的な戦略をについては後述します)。

弱者は小さな市場で、大きなシェアを築き、その局面において強者の立場を確保することが、目標となります。このように弱者と強者それぞれの戦い方を提示していることが、ランチェスター戦略の特徴です。ランチェスター法則により明確となったことは、兵力数が多い側が常に有利であるということです。

特に第二法則が支配する広域戦では、兵力数が二乗に作用するので、強者が圧倒的に有利です。兵力数が少ない側は、第二法則下では勝ち目はないのです。

では、兵力数が少ない側はどうすればよいのか。第一法則が支配する局地戦、接近戦、一騎打ちで戦い、武器が兵力比以上に強力であれば、勝利することができます。

弱者は第一法則型の戦いを挑み、武器性能を向上させることが勝利のために必須となります。

  • 弱者は局地戦、接近戦、一騎打ちで戦うべき
  • 強者は広域戦、確率戦、遠隔戦で戦うべき

弱者と強者を明確に分けることがランチェスター戦略の根本原理ですから、ここがあいまいだと、ランチェスター戦略を使うことができないのです。

カルロスゴーンが日産の社長になった当時、日産は弱者の戦略を用いた経営改革をもって業績がV字回復し、過去最高益をあげるまでの超優良企業となりました。それ以前の長期低落傾向は自社を弱者だと認められないことに原因がありました。トヨタと張り合うのではなく、自らが弱者であると認め、トヨタに差別化し、ホンダを叩き、ホンダのシェアを奪うのが弱者の戦略です。最初から弱者の戦略を実践していれば、買収もされず、工場閉鎖や下請けも切らずにやっていけたのではないかと思います。

誰しも自分が弱者であると認めたくないものだし、弱者といわれて抵抗があるものです。そこで私はこのブログで自身を「弱虫」だと公言したうえで、弱い者の戦い方がいかに素晴らしいかを伝えていきたいと思っています。

ランチェスターの市場参入戦略

大企業の新規事業はよく失敗します。それは、新規参入ではその競合局面で弱者であるのに、本業が強者であることを社員が引きずって弱者意識がないことが原因です。

かつてキッコーマンが焼肉のタレに進出しても、キャノンがオフィスコンピュータに進出してもうまくいかったのは、弱者意識が持てなかったのでしょう。その点、花王はエコナで食用油に新規参入した時も、ヘルシアで緑茶飲料に新規参入した時も、鋭い切り口の一点集中主義で市場シェアを勝ち得ました。これこそが弱者の戦略です。

ランチェスターの市場参入戦略の結論は、「市場参入は弱者の戦略が基本」ということです。市場開発であれ、新商品開発であれ、もちろん多角化も、参入時は弱者の戦略を取らなくてはなりません。

弱者・強者は規模ではなく、その競合局面における力関係です。ライフサイクルが成長期の場合は、スピード勝負、体力勝負になりますから、強者の戦略の典型である「物量作戦」で一気に勝敗を決しなければなりません。

成長期では、弱者といえども借金してでも徹底的にやらねばならないのです。先発した弱者が乏しい資源をやりくりして市場を開拓して、やっと成長期になって食えるようになったと喜んでいたら、後発強者に根こそぎやられることもよくある事です。そういう先発弱者のことを大手企業は“モルモット”といいます。

先発して市場をリードし、成長期を迎えたならば、経営規模が大きかろうが小さかろうが、強者の戦略で、勝負をかけるべきなのです。

弱者と強者の5大戦略

おさらいすると、弱者の基本戦略は「差別化」であり、強者の基本戦略は「ミート」でした。この基本戦略を実戦するにあたり、それぞれ5つの戦い方があります。それが「弱者の5大戦略」と「強者の5大戦略」です。両者の5大戦略は対比させながら捉えるとわかりやすいので、以下ではそのように解説していきます。

5大戦略の対比

  1. 局地戦   VS 広域戦
  2. 一騎打ち戦 VS 確率戦
  3. 接近戦   VS 遠隔戦
  4. 一点集中主義  VS  物量作戦
  5. 陽動作戦  VS 誘導作戦

これらがなぜ5大戦略となるかは、弱者と強者の原点に立ち返って考えると理解しやすいです。弱者は第一法則型で戦うべきです。第一法則が適用される戦場は刀や槍のような一人対一人で戦う単発兵器を使い、狭い範囲で敵と接近する戦い方になります。ゲリラ的な戦い方も有効です。

一方、強者は第二法則型で戦うべきです。第二法則が適用される戦場は機関銃のような多数対多数で戦います。近代兵器(確率兵器ともいう)を使い、広い範囲で敵と離れる戦い方です。これらをビジネスに置き換えて、5大戦略を順にみていきたいと思います。

1.局地戦VS広域戦

局地戦とは、狭い地域や領域に限定して戦うということです。狭い地域とは営業マンが一時間以内に飛んでいける範囲のことで、「点の市場」など強者の盲点が狙い目です。

顧客の業界、顧客の層など、客層を絞ることや、用途を絞って専門領域に特化することも検討したい。顧客のABC分析をし、Aa店(規模が大きく、自社が取引会社中No.1である顧客)づくりに取組む。一匹狼的な顧客を狙うのも手です。

弱者は小さな市場で大きなシェアを目指しましょう

広域戦とは、戦いの地域や領域を限定せず、なるだけ広範囲で戦うということです。広域戦では、販売代理店政策もテリトリーを限定しないオープンテリトリーが望ましいのです。大都市や平野部などの「面の市場」を重視して、取引店率(全対象店中の自社取引店率)の向上に努めます。また、同業者組合のリーダー、老舗など横のつながりの強い顧客は特に大切にしましょう。

2.一騎打ち戦VS確率戦

弱者にとっては、競合数の少ない戦場が狙い目です。一社としか取引をしていない相手(オンリー顧客という)を新規開拓の最優先候補先としましょう。
オンリー顧客は一社しか知らず、なんらかの不満をもっています。そこに狙いを絞って、現取引先と差別化し一騎打ちで戦うことで、勝算が出てくるのです。また、取引先が多い顧客は取引先を絞ろうと思っているし、競争相手が多く、弱者には不利なので後回しでも良いです。

「弱者の新規開拓はオンリー顧客を狙え!」

これに対して強者は確率戦に持ち込みます。確率戦とは自社の力を重複化することです。商品ラインや品揃えを充実させ、弱者のつけ入る隙をなくします。代理店をたくさん使い、併売店を増やし、拠点数をふやし、攻撃の成功率を向上させることが重要です。

3.接近戦VS遠隔戦

ビジネスでいう接近戦とは顧客に接近すること、密着することです。弱者こそ顧客に接近すべきです。そうやって顧客との関係を強化し、ちょっとやそっとのことで
離れられない関係にすれば弱者にも勝算が見えてきます。接触頻度を多くすることやスキンシップは非常に重要です。地域密着サービスはこれにあたリます。

また、弱者は地元に強くなくてはならないのです。地域コミュニティに積極的に参加し、地元には強者も入り込む余地がないほど固めることが大切です。さらに直販や川下作戦を展開し、自社で売り切る販売力を強化することが大切です。川下作戦とは販売代理店や小売店と組んでエンドユーザーに直接アプローチする方法のことです。

弱者は顧客に接近せよ

以上が弱者の接近戦の戦い方になります。

これらは、マーケティングでよくいうプッシュ型プロモーションを意味します。一方の強者はプル型プロモーションと捉えると理解しやすいです。強者は遠隔戦で戦います。弱者が直販に力を入れるのに対して、強者は卸しの力を活用し、間接販売に力を入れます。

また、強者ならではの戦略として広告宣伝、広報PRに力を入れます。強者は1位であること自体が宣伝材料になります。

4.一点集中主義VS総合戦

弱者はリソースが少ないため、重点を置くものを決めて、リソースを一点に集中するべきです。営業マンや販促活動もこれに集中させます。これは判断と覚悟がいることですが、絶大な効果があります。

弱者はあれこれやらずに、一点に集中する覚悟をもて

強者は弱者の差別化や一点集中に対して自社の総合力をフル活用して圧倒的なスケールでミートします。強者といえども体力が相当必要な作戦なので、短期決戦で敵を圧倒しなければならないのです。これも覚悟が必要ですが、一方ミートするタイミングが大切なので、情報力とスピード対応力も要求されます。

5.陽動作戦VS誘導作戦

陽動作戦とはゲリラ的かく乱作戦のことです。こちらの動きを悟られないようにオトリ的な動きをしたり、相手の心理的動揺を誘うような作戦です。たとえば、広域戦に出ると見せかけて、敵勢力を分散させ、こちらの真の攻撃目標から敵の目をそらすことです。

弱者は敵に味方の攻撃意図を知られるな

強者の戦力の基本は守りだが、後手後手にまわらぬように、先手を打つことも大切。誘導作戦とは先手を打ち、弱者を強者の土俵におびき出して袋叩きにすること。逆差別化や、弱者の新商品発表時に、こちらもすぐに出すよと買い控えを誘うような手もある。

弱者の差別化5原則

  1. 商品の差別化
    (1)商品の性能・機能で差別化
    (2)発想の転換で差別化
    (3)ネーミングやパッケージで差別化
    (4)広告やキャラクターで差別化
  2. 価格の差別化
  3. サービスの差別化
  4. チャネルの差別化
  5. 地域の差別化

簡単にミートされる差別化は差別化とは呼べない

一番安易な差別化は価格を安くすることです。誰しも、ライバルよりも安くすれば売れるだろうと考えます。しかし、これは大変危険な考えです。強者がミートしてきたら一巻の終わりだし、強者はそういった作戦をよく使います。

商品サービスが代わり映えしないで、価格が同じなら多くの人々は強者、特にNo.1を選びます。また、価格競争はスケールメリットの世界なので強者が圧倒的に有利な土俵です。よほどのイノベーションがない限り、弱者は価格競争で戦ってはならないのです。もっとクリエイティブに、別の差別化を考えましょう。

ランチェスターの価格の差別化とは単に安くするということではありません。

むしろ価格を高くするような差別化をしましょう。差別化とは、強者と違う価格帯で勝負することであることを思い出してください。弱者は一円でも高く売る方法を考えるましょう。

1.商品の差別化
(1)商品の性能・機能で差別化

差別化の王道は、商品の性能・機能で差別化することです。たとえば、トヨタのハイブリッドカー「プリウス」はガソリンと電気の併用エンジンで、CO2の排出量を35%ダウンさせたエコカーとして、同クラスカーよりもかなり割高であったにもかかわらず、ヒットしました。これはただ売れただけでなく、企業イメージ向上に貢献するフラッグシップ・カーです。

ミツカングループの「金のつぶ・なっとう」シリーズは、臭いの薄い納豆菌の開発による「におわなっとう」や、骨によいビタミンを豊富に入れた「ほね元気」により、納豆業界では後発であったにもかかわらず、市場シェア2位となった。「ほね元気」は特定保健用食品として厚労省に認定されています。

このように、他にない性能・機能で商品を差別化することが、差別化の王道です。しかし、こうした圧倒的な違いを商品にもたらすことは容易ではありません。だからといって、諦めるのは早いです。

まだまだ知恵の絞りようはあるはずなのです。では、他の差別化の方法についてもみていきましょう。

(2)発想の転換で差別化

抜本的な商品の差別化をしなくても、発想の転換・アイディアひとつでヒットした差別化商品の事例として、ポカリスエット・ミニや、お菓子のポッキーのジャンボはよく売れています。

大きさを極端に小さくしたり、大きくしただけですね。さらに客層を変えてみましょう。婦人用のカツラ、男性用のエステなどは、比較的新しいマーケットです。あるいはなんらかの制限をつけて販売しましょう。季節限定、地域限定、数量限定など。限定、レアもの、という言葉に弱い人は多いです。

続いては、ネーミング、パッケージ、広告、キャラクターなどで差別化した事例を紹介します。

(3)ネーミングやパッケージで差別化
(3ー1)ネーミングで差別化

レナウンの抗菌防臭靴下「通勤快足」と伊藤園の緑茶飲料「お~いお茶」はヒット商品ですが、もともと別の名前で発売されたものです。「通勤快足」は「フレッシュライフ」、「お~いお茶」は「煎茶」という、何の変哲もない名前で発売され、パッとしない存在でした。ところが、数年後にネーミングを今のものに変えたら、突然、売れはじめたのです。

元々、「フレッシュライフ」は他にない優れた機能の商品でした。「煎茶」はペットボトル入りの日本茶を買って飲むという、当時としては新しい生活習慣の提案商品でした。しかしネーミングが平凡なゆえに、その鋭いコンセプトは伝わらず、パッとしなかったのです。つまり、中身がよくても、差別化されていても、伝わらなくては宝の持ち腐れ、という悪い事例です。

伝えるためには、アテンション(注意)を喚起しなければならないのです。そのために、「あれっ」と思わせるユニークなネーミングは大変有効です。
イケダハヤト氏のブログ「まだ東京で消耗してるの?」というネーミングはまさにアテンションの典型で、挑発的なスタイルはまさに弱者の戦略です。

さらに、ネーミングに徹底的にこだわっている会社といえば、小林製薬です。「のどぬ~る」「熱さまシート」「糸ようじ」「トイレその後に」「あせワキパット」「ポット洗浄中」といずれも使い方がわかり、一度聞いたら忘れられない商品名です。
商品開発自体も、「大池に小さな魚は狙わない。小さな池を掘り、そこで魚を大きく育てる。」ことを方針としているそうです。

(3ー2)パッケージで差別化

キリンの缶チューハイ「氷結」は、極めて戦略的にイメージづくりがなされた商品です。缶チューハイ市場は激戦区で、差別化の必要性がありました。そこで、爽やかなイメージのパッケージに加えて、ダイアカット缶という例のない缶を投入ました。極端に言えば、普通のチューハイ=ダサい・おっさんの呑むもの、「氷結」=カッコいい・若者が呑むものというイメージを、パッケージによって作りました。このパッケージにより、コストアップしたでしょうが、それに見合うベネフィットを選択したのです。

(4)広告やキャラクター

最後に取り上げるのは「広告・キャラクター」による差別化です。事例を中心にみていきます。前回の「ネーミング・パッケージ」も、商品そのものというよりも、その見せ方で差別化する手法です。一方、今回の「広告・キャラクター」は完全に、どう見せるか、知らしめるか、伝えるか、感じさせるか、という手法です。

キャラクターで成功しているのは、ダイキンの「ぴちょんくん」です。ダイキンは、業務用エアコンでは強者ですが、家庭用エアコンでは、弱者でした。認知度、親近感をあげるには一般に大量の広告が必要ですが、広告戦略の中で「ぴちょんくん」を作ったところ、これが一般消費者に対するダイキンの顔となり、家庭用エアコンでもシェアのトップグループの一角に食い込む原動力になりました。キャラクター「ぴちょんくん」とネーミング「うるるとさらら」が、ダイキンの知名度を一気に押し上げたのです。

2.価格の差別化
顧客に評価されない差別化は差別化ではない

スタートアップを目指す人にありがちなことですが、こんなにスゴイ機能を開発しました!画期的なので、絶対に売れます!!と言って、実際はさっぱり売れないということがあります。その機能がスゴイと思っているのは身内だけで、顧客にとっては何の価値も感じないものだった、ということが多いです。電化製品やIT機器で、こんな機能いらない、と思うことはありませんか?

差別化の評価をするのは顧客やエンドユーザーであって、供給者ではないのです。またランチェスターの価格の差別化とは、単に安くすることではなく、ライバル(特に強者)と違う価格帯にすることです。たとえば、化粧品メーカー各社とも数万円もする超高級美肌クリームを発売しています。これは、顧客の「高い=高性能=より美しくなれる」という消費心理に訴えるものです。

成分、性能は、そんなに違うものではないはずですが、イメージで売っているのです。ある売れない宝石店が、値札を一桁間違えて高くつけたら売れるようになったという話があります。これも高いものはよいものだ、という消費心理をついたものです。一斤数千円もするパンがインターネットでバカ売れした例もあります。最高の天然酵母を使い、一流の職人が丁寧に作る、本当においしいパンだが、おしいいから買う以前に、そんな話題のパンなら食べてみたい、という心理で売っているのです。

3.サービスの差別化

サービスという言葉は、とても幅広く使われている。

  1. サービス業のサービス
  2. 商品のソフト化・サービス化
  3. 顧客密着

差別化は掛け算で相乗効果 A×B×C

決定的な差別化を作ることは容易ではありません。ゲームのルールを変えてしまうようなイノベーションを模索すべきですが、現実はそうもいきません。上手くいかないから諦めるということではなく、小さな差別化を掛け合わせていくと良いです。

牛丼の吉野家は昔から「早い×安い×うまい」の三拍子ですね。早いだけでも、安いだけでも、うまいだけでも差別化にはなりませんが、この三拍子が揃うと掛け算的に効果が生まれ、吉野家の存在感が生まれるのです。

同様に、10分千円のQBハウス(床屋さん)は、安いだけでなく、早いだけでなく、立地もよい。エキナカ(駅構内)などにあり近くて便利です。だから⇒「早い×安い×近い」となるので、マネをするお店が続出しても、その地位は当面揺るがないでしょう。

深夜ショッピングのドンキホーテは、24時間営業で、安い。さらに、何が置いてあるかわからない、何かに出会えるようなユニークな品揃えでショッピングをエンターテイメント化しています。つまり⇒「24時間×安い×おもしろい」となるので、深夜の暇つぶしスポットの代名詞のような存在となりました。さらにブランドのバッグや宝飾品に加え、着物にウェディングドレスまで展開しています。このように差別化とは掛け算的に相乗効果をあげるものなので、複数の差別化ポイントがあると強いのです。

3ー1.サービス業のサービスの差別化

大阪のリッツカールトンホテルのコンシェルジェ・サービスは素晴らしいことで有名です。国内トップクラスの高額なホテルですが、よく集客しており、好業績ホテルです。

一方、10分1千円床屋のQBハウスも破竹の勢いで店舗数を拡大しています。リッツは、徹底した高品質なサービスで差別化し、圧倒的な存在感を築きました。QBは徹底的にサービスを排除し、ローコスト化、スピード化を実現しました。QBには洗面台がない。当然、髪は洗わない。カットした後の毛は、掃除機で吸い取られます。顔に付いた毛は、自分でおしぼりでとらなければならないです。

しかしこれは、ホテルは高品位サービス、理容店はサービスを省け、ということではないです。部屋に設置電話もない、清算も自販機でするようなホテルも流行っていますし、耳掃除の達人が徹底的にサービスしてくれる理容店も成功しています。つまり、業界の常識にとらわれず、他店とサービス品質と、それに伴う価格を徹底的に差別化すべきなのです。非常識なほどサービスをするとしたら、どこまでできるのか試してみましょう。あるいは、非常識なほどサービスを省くとすると、どこまで省けるのかを0ベースで考えてみましょう。

また、異業種にヒントを得ると発想が広がります。なぜなら、同業のマネをしても差別化にはならないし、業界の常識からは脱せないからです。
つまり、

リッツに泊まり、QBで散髪してみるとよいです。

3ー2.商品のソフト化・サービス化による差別化
エクスペリエンス・マーケティングという考え方があります。店頭で卵焼き体験ができる卵焼き店が成功しているそうです。みんな楽しそうに出汁巻き卵を焼いています。
焼いた卵はお持ち帰り、記念写真まで撮ってくれます。成熟・飽食の今、人々は体験や、学ぶことを求めています。利き酒会をやる酒屋、料理教室をやるレストラン、ゲーム大会をやるおもちゃ屋、こんなお店は決してつぶれないのです。

また体験型は顧客密着であり、コミュニティでもある点も強みです。ある小さな旅行代理店では、定期的に「スペインを語る会」のような食事会を開催しているそうです。
スペインがテーマであれば、スペイン料理屋で、スペイン通の文化人をゲストに呼び、余興でフラメンコを観覧できます。ご婦人を中心とするお客さんは、スペイン産ワインをガブ飲みして、大盛り上がりです。「スペインって素敵ねえ、行ってみたいわ、グラナダの夕日が…、バルセロナで闘牛を…」などとしゃべっているうちに、興奮して、帰る頃には、「いつ行くの?一緒に行く?」となっているというわけです。
3ー3.顧客密着による差別化
街の小さな商店の多くが、苦戦しています。品揃え・価格ともにAmazonをはじめとするネットショップや大型量販店にかなわないからです。しかし、顧客密着型のサービスなら、小さな商店でも勝算はあるのです。弱者の5大戦略は「局地戦」「接近戦」「一騎打ち戦」「一点集中主義」「陽動作戦」です。顧客密着サービスによる差別化とは、顧客に「接近戦」で挑め、ということです。弱者は強者が面倒がってやらない、きめの細かいサービスで顧客に密着すべきです。

街の電器屋さんなどは、地域密着サービスなら独壇場です。お年寄りはもちろん、女性も電器製品には疎い人が多いのです。テレビの調子が悪い、クーラーの様子がおかしいとなった時、電話一本で飛んできてくれる電器屋さんは需要があります。少々高くても、安心料だと思えば、安いものですから、街の電器屋さんで生き残っている所もあるのです。こうした販売は、1to1マーケティングと呼ばれます。

街の小さな商店は昔から、1to1マーケティングをやってきていました。顧客のことをよく知り、個別対応し、御用聞き、出前・配達もやってきたのです。それを効率が悪い、面倒くさいと、おざなりにし「待ち型」に徹してしまった店は、いずれもジリ貧となりました。小さな小売店は、顧客のところに出向く、「攻め型」商売をしなければならないのです。

最近では、イベントバー・エデンのように、人と人との出会いの場を提供する起業家が増えています。ネットによって人と人が繋がりやすくなった結果、同じ興味・関心のある人間がリアルで繋がるための場が求められ、その需要をうまく取り込んでビジネスが成立しているのです。

つまり、街の電気屋さんは家電を売っているのではなく、安心というサービスを売っています。イベントバー・エデンはお酒ではなく、人と人との繋がりの場を売っています。このような販売戦略が、顧客密着型のビジネスでは求められるのです。

1941年12月8日(現地日時7日早朝)、帝国日本海軍・連合艦隊の航空機動部隊は、暗号電文「ニイタカヤマノボレ1208」の指示のもと、米国太平洋艦隊基地のハワイ・オアフ島のパールハーバーを奇襲攻撃しました。パールハーバーは一瞬のうちに火の海と化し、日本軍の攻撃により、米太平洋艦隊は主力のアリゾナをはじめ戦艦4隻撃沈、4隻大破、戦闘機そのほかに膨大な損害を与えました。人的にも戦死者2,402名を出さしめ、日本は圧勝したのです。

前線から「トラ・トラ・トラ」すなわち、我、奇襲に成功せり、と打電、日本は緒戦の勝利に酔いしれました。これが世に言う「真珠湾攻撃」です。戦術的には大勝利、大成功を収めた真珠湾攻撃により、4年弱の長きに渡たる日米戦争が始まったのです。真珠湾攻撃は、戦術的には大勝利、大成功です。源義経の「一ノ谷の合戦」、織田信長の「桶狭間の合戦」と並ぶ、日本三大奇襲攻撃とする人もいるくらいです。「小が大に勝つ」の、一つのモデルのようにも思えますが、戦略的には、大失敗であったといわざるをえません。

宣戦布告前の攻撃であったために、戦争の大義名分が失われ、国際世論を味方につけることができなくなりました。侵略戦争を仕掛けた悪の枢軸と呼ばれるのです。これで講和(話し合いでの戦争終結)が困難となります。当時の米国内の世論は厭戦的で、第二次世界大戦への参戦をを支持する人は少なかったのです。しかし、米国人が嫌う卑怯なだまし討ちに、結果としてなったがために、ヤンキー魂に火がつき、「リメンバー・パールハーバー」を合言葉に、挙国一致で対日戦に突入することになります。
戦争の大義が米国に宿るのです。

また、本来はインドネシアの油田さえ確保すれば良かったわけで、いたずらに戦線を拡大させただけ、ともいえます。そして、もう一つ。真珠湾を攻撃するならするで、徹底的に壊滅させるべきでした。真珠湾攻撃は、敵の主要な兵器には壊滅的な打撃を与えましたが、燃料タンクをはじめとする軍需施設には攻撃をしなかったのです。基地周辺には半年分の重油タンクやドック(艦船修理工場)がありましたが、日本軍は、それら軍需施設には攻撃をしませんでした。いや、総指揮をとった連合艦隊司令部からは、緒戦での勝利後、軍需施設と、パールハーバーに次ぐ基地であったミッドウェイへの攻撃の命令は出ていたようです。しかし現場指揮官の判断で、出撃はなされませんでした。

表向きは天候や補給上の問題があり、断念したとのことですが、実は現場指揮官は後に、次のようなコメントを残しています。「横綱を破った関取に、帰りにちょっと大根を買ってこいというようなものだ」真珠湾攻撃は、確かに、大変困難でリスクの高い任務でした。しかし、「大根を買ってこなかった」ため、大破させた戦艦はもちろん、撃沈させたはずの戦艦も2隻、ドックで修理されました。燃料もふんだんにありますから、すぐに出撃できます。そして、7ヵ月後にミッドウェイで日本を破るに至るのです。

歴史にifは禁物ですが、もしも、そのとき、軍需施設を壊滅させておけば、米軍は1年は反撃できなかったはずです。さらにミッドウェイも壊滅させておけば、戦局はどうなったか…宣戦布告をしていたら、有利な条件での講和も可能だったかもしれません。連合艦隊は、自らをすり潰してでも、出撃をすべきでした。軍事の世界では、敵兵力への直接的攻撃を「戦術攻撃」といい、敵の生産・補給・通信など軍需施設への攻撃を、間接的攻撃または「戦略攻撃」といいます。日本列島を絨毯爆撃した戦闘機B29のことを「戦略爆撃機」といいます。実際には多数の非戦闘員(民間人)が犠牲となりましたが、軍需施設への攻撃をする戦闘機、という意味なのです。

一方で日本には、戦略攻撃という考えが希薄だったのです。攻撃といえば、敵兵力(兵士や兵器)に対して行うもので、後方の軍需施設へ攻撃するという発想そのものが、乏しかったといえます。攻撃=戦術攻撃だったのです。

米国では、真珠湾攻撃の前後、敵戦闘力そのものを攻撃する戦術攻撃と、敵の戦闘を継続せしめる後方を攻撃する戦略攻撃とをどのようにバランスするのが得策なのか、ということをよく研究しています。そのために軍は学者を徴用し、研究チームを編成するのです。彼らに与えられたミッションは、兵器の開発ではなく(兵器開発は別チームで。アインシュタインが原爆の開発に協力するなど)軍の予算配分をはじめ、戦い方を科学するということです。海軍作戦研究班では、コロンビア大学の数学者B.O.クープマン教授らが中心となって研究がなされます。その時、論理のベースとなったのが、ランチェスター法則なのです。

ランチェスター法則とは、第一次世界大戦時の英国において、エンジニアだったF.W.ランチェスターが発見した、戦闘力と損害量の関係を数学式化したものです。これをベースに応用発展させ、できた数学式で「戦略攻撃2:戦術攻撃1」の比率で資源を配分することが、最も攻撃力が増すことが結論づけられました。つまり、戦略攻撃を行うために予算の2/3を、戦術攻撃を行うために予算の1/3を使え、ということです。これが、ランチェスター戦略モデル式、またはクープマンモデルと呼ばれる数学式です。また、このモデル式は、グァム、サイパン、沖縄など米軍の太平洋の島々への上陸作戦のコンセプトにも発展しました。戦争の後に、海軍作戦研究班の研究成果は、オペレーションズ・リサーチ(OR)として民需化し、経営戦略へ取り込まれていくのです。

「ランチェスター戦略」の原点が、ここにあります。

真珠湾攻撃は、戦術的には大勝利でしたが、戦略的には大失敗であった理由は以上です。その原因は、戦略と戦術の区別がついていなかった、といえます。あなたはあなたのビジネスにおいて、戦略と戦術の違いを明確に分けて捉えているでしょうか?そして、人・モノ・金といった経営資源を戦略2:戦術1の比率で配分しているでしょうか?
集客のテクニックや営業パーソンのガンバリによって瞬間的に上手くいったとしても、戦略が間違っていたり戦略がなければ、その勝利は一過性のものです。そして戦術の失敗は戦略で取り返背ますが、戦略の失敗は戦術では取り返せないのです。
4.チャネルの差別化
自業界の非常識は他業界の常識

これから差別化するのなら、自分の業界内で非常識なことを考えなければなりません。常識的なことは差別化にはなりませんから。でも、業界にドップリ漬かっていると、なかなか非常識な発想は生まれてきません。そんな時は他業界に差別化のヒントを求めるとよいでしょう。他業界では常識的なことであっても、自業界では行われていないことは何か?ここに最も手っ取り早い差別化のヒントが隠れているのです。たとえば、自動車修理の業界。この業界はカーマニアはともかく、主婦などからすると、なにやら恐ろしげなイメージがあったと思います。まず、客を客とも思わない横柄な態度、油にまみれたお店、いくらかかるのか、いつまでにできるのか、その合理性もよくわからない。
こんなイメージだったのではないでしょうか。そのイメージを払拭したのが「カーコンビニ倶楽部」。体裁を整えた外観、価格と納期の明朗化、普通の接客技術…。考えてみれば他の業界ではごく当たり前のことが、それまでなかっただけのことなのです。他業界の常識を自業界にもってきただけで、圧倒的な差別化に成功しました。はんこ屋さん業界における「はんこ屋さん21」も同様ですね。

5.地域の差別化
小技も大切ですが、信念のない小手先のテクニックはおすすめできません

差別化は、やれることなら、どんなことでも小さなことでもトライすればよいと思います。たとえば、名詞一つとっても、工夫の余地はあるのではないでしょうか。相手に社名と何をやっている会社なのか、そして自分の名前と顔を覚えてもらうために名詞は存在しています。あなたの名詞は、その当たり前の機能を果たしているでしょうか?

しかし、小手先のテクニックだけに走っていては、かえって信用を失ってしまいます。仮に一時的に通用しても、やがて同じようなものが氾濫し、効かなくなります。真にお客様のお役に立ち、決して損はさせないという、信念の裏づけのない小手先のテクニックはおすすめできません。
最後は理念

差別化とは「独自固有の特徴づけ」ですから、最後はテクニックというようなものではないのです。最後は信念・信条、使命・志・夢、つまりは理念の領域です。

いったいこの会社は世の中でいかなる役割を果たすのか、存在意義は何なのか。そうした理念に裏づけされた差別化でなければ瞬間的には通用しても10年、20年と続くはずはありません。すなわち最終的には顧客の頭の中のイメージまで差別化しないと差別化していることになりません。逆に言うならば、イメージの差別化が成立していればちょっとやそっとのことではミートされないということですね。メッセージ性の強い者が勝つということになります。

[差別化戦略事例]死角エリアで激戦を避ける
「地域」の差別化とは、強者が力を注いでいるエリアを避けて、自社の重点エリアを設定し、そこに一点集中し、エリア内No.1を築くことです。たとえば、一つの都道府県が商圏である場合、強者は県都などの大市場に注力しています。多くのプレイヤーが参入する激戦区でしょう。弱者がそこで戦っても出血ばかりで、勝てる見込みはありません。県内には大市場以外にも郡部などの小市場が分散しているはずです。

その分散している小市場で勝とうとするのが弱者の発想です。不思議と一つの都道府県には大市場圏が7割、残り3割が分散した小市場圏なのです。これを七三(しちさん)構造と呼びますが、弱者は3割を分母とし、その中で圧勝すれば、充分にやっていけるのです。同様に、強者はおいしい市場に目がいきますので、必ず死角や盲点があるものです。いくつか具体的に挙げてみましょう。

  • 境・・・・・・・・・・・・県、市、区などの境目
  • へり・・・・・・・・・・・川べり
  • 行き止まり・・・・・・・・半島の先端、盆地(秩父など)
  • 鈍行駅・・・・・・・・・・鈍行しか止まらない地域、幹線道路から遠い地域
  • 遠い・・・・・・・・・・・各社営業拠点から遠い地域
  • 二等立地・・・・・・・・・路地裏など
  • 陸の孤島・・・・・・・・・電車が無く、車でないと行けない地域

例えば東京都内でも、江東区と墨田区は区境が入り組んでいる関係で、事業会社によってはセールス・リストから抜け落ちているケースがあります。

多くの会社はテリトリーを行政区画単位で分けています。そして区画の中心地に拠点を置きます。ですから境目は、どうしても手薄になってしまいます。この市場の空白地帯こそ、弱者に勝算があるエリアというわけです。また、大きな川向こう岸や大きな道路や線路の向こうも死角です。ランチェスター地域戦略では弱者がテリトリーの再編成をする際には行政区画単位ではなく、テリトリーを決めることをお奨めします。それは、こうした死角・盲点を押さえることができるということと、ライバルとテリトリーを一致させないことで、こちらの情報を敵にわかりにくくさせるという効果もあります。